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夏は開放的、冬は閉鎖的? 気候とココロの関係

8月30日18時30分 Mocosuku

夏は開放的、冬は閉鎖的? 気候とココロの関係

執筆:伊坂 八重(メンタルヘルスライター)
監修:株式会社 とらうべ

「夏になると、なんとなく気分が良くなる」「冬になると、気持ちが落ち込む」という人もいるかもしれません。また、「北欧は冬季のうつ病の発症率が高い」などとも言われています。私たちのココロと気候にはどのような関係があるのでしょうか?

毎年決まった季節に調子が悪い「季節性感情障害」

「気候や季節によって、体調に差を感じる…」このような経験がある人もいると思いますが、実は気候や季節と私たちのココロには深い関係があることが分かっています。

そのことを象徴する精神的疾患として、「季節性感情障害(Seasonal Affective Disorder;以下 SAD)」があります。

SADは、ある特定の季節になると気分の落ち込みなどの症状が現れる病気で、秋~冬にかけて症状が現れることが多いことから、「冬季うつ病」とも呼ばれています(ただし、夏などに症状が現れ、秋~冬にかけて症状が回復することもあります)。

アメリカ精神医学会が発行している『DSM-5:精神疾患の分類と診断の手引き(最新版)』では、「季節型」として、うつ病のひとつに分類されています。

発症すると、気分の落ち込み、気力の低下、易怒性、性欲の減退など、うつ病と似たような症状が現れる一方で、不眠や食欲低下といった症状ではなく、過眠や食欲増加といった症状が現れます。

また、このような症状は「春になると調子が良くなる」というように、特定の季節が過ぎることで回復するといわれていて、SAD患者のおよそ3分の1が、春から夏にかけて気分が高揚してくる、ともいわれています。

日照時間の長さがもたらすココロへの影響

では、なぜこのような症状が現れるのでしょうか?

このような疾患の発症と関係しているといわれるのが、日照時間と「セロトニン」です。

近年、うつ病患者の増加などに伴って、マスコミなどでもよく耳にするようになった「セロトニン」。これは、脳内物質のひとつで、脳だけでなく、身体中にさまざまに作用することから、「幸せホルモン」とも呼ばれています。

セロトニンには、脳を覚醒状態に導き、頭をスッキリさせる、ココロのバランスを整え、気分を安定させる、自律神経のバランスを整えて、寝つきをよくする、といった働きがあります。

さきほど、セロトニンと日照時間が精神的な症状に関連しているというお話をしましたが、セロトニンは日光を浴びることで分泌が促進されることが分かっています。そのため、日照時間が長い夏に多く分泌が促進されやすく、反対に日照時間が短くなる秋~冬にかけて分泌が抑制されやすくなります。

北欧などでは、冬に症状を訴える「季節性感情障害」の罹患率が高いとされていますが、これについても緯度が高く、冬季の日照時間が短いことが関係していると考えられています。

北欧ほど多くはありませんが、日本でも日照時間が短くなり、セロトニンが不足しやすくなる秋~冬にかけて、気分が落ち込んだり、心身の調子が悪くなることがあると考えられています。

セロトニン不足にならないために

このように、セロトニンの分泌に影響を与える気候と私たちのココロには深いつながりがあります。

これから夏が終わると、それに伴って日照時間も短くなり、ココロの不調も現れやすくなります。日照時間が短くなる季節だからこそ、意識的に日光に当たることを心がけましょう。

とくに、起床後の30分以内に太陽の光を浴びることで、セロトニンを分泌するセロトニン神経が活性化されるといわれています。朝目覚めたら、カーテンを開け、意識的に太陽の光を浴びることで、スッキリと目覚めることができます。

また、このほかにも運動不足や栄養の偏った食生活などもセロトニン不足に影響を及ぼすといわれています。基本的なことですが、セロトニン不足を防ぐためにも、日々の生活習慣を見直すことが重要であるといえます。

ここまでお話してきたように、私たちのココロと気候には関係があります。「毎年、秋~冬にかけて気分が落ち込み、春~夏にかけて調子が良くなる」という人は、秋~冬の過ごし方を見直してみると良いでしょう。

また、「日常生活に支障があるほど、気持ちの落ち込みが激しい」という場合には、心療内科などの受診も検討しましょう。

<参考>
成和脳神経内科医院(http://taku1902.jp/sub450.pdf)

Royal College of Psyshiatrists(http://www.rcpsych.ac.uk/healthadvice/translations/japanese/sad.aspx)

<執筆者プロフィール>
伊坂 八重(いさか・やえ)
メンタルヘルスライター。
株式会社 とらうべ 社員。精神障害者の相談援助を行うための国家資格・精神保健福祉士取得。社会調査士の資格も保有しており、統計調査に関する記事も執筆。

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士など、健康に関わる専門家ネットワークによる信頼性の高いコンテンツをプロデュースする企業

引用元:

まだらー('ー')/~~

 班目幸寛(まだらめゆきひろ) フェイスブック ページへ  友達申請を是非♪  1978年生まれの宮城県出身。  元々は建築科、専門学校卒業後、建築関連の仕事に就いたがが、当人がADHDの気があり(白に近いグレー)、その時の苦労を元にカウンセラーのキャリアをスタート。  カウンセリングのメインは発達障害のカウンセリングだったが、カウンセリングを行うにつれ幅が広がり『分かっているのにできない、やめれない事』等、不倫の恋、経営者の意思決定なども行う。(相談案内へ)  趣味はバイク・自転車・アウトドア・ミリタリーグッズ収集・国内外旅行でリスクティカー。 『昨日よりも若くて、スマート』が日々の目標。  愛読書はV,Eフランクル 放送大学 心理と教養卒業 / 臨床心理プログラム 大学院 選科履修

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