冬でも氷をガリガリガリガリ…「氷食症」|ニフティニュース

冬でも氷をガリガリガリガリ…「氷食症」

冬でも氷をガリガリガリガリ…「氷食症」

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ
氷食症は文字通り、氷を食べられることがやめられない病気です。

まだ原因不明とされていて、貧血のせいとも強迫性障害(精神疾患の一つ)ともみられています。
この氷食症、一体どのような病気なのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

氷食症の症状:貧血説の立場からとにかく氷を食べずにはいられないのが、氷食症の症状です。

ですから結果としてお腹を下し、以下ののような貧血の症状が次第に出てきます。

疲れやすくなる頭痛食欲不振息切れ動悸顔色の悪さめまい立ちくらみ記憶力の低下寝起きや寝つきの悪ささらに、食欲不振による栄養不足が高じると、肌荒れや爪の反り返り、あるいは貧血がひどくなって突然倒れたり、日常生活に支障をきたしたりするようにもなります。

氷食症の原因:貧血説と強迫説氷食症のおもな原因は、鉄分の不足によって起こる貧血だと言われています。

しかし「なぜ鉄分が足りないと氷が食べたくなるのか」については、まだよく判ってはいないとのこと。

貧血によって赤血球の量が減り、赤血球の働きが低下して酸素不足になり、自律神経が乱れて体温調節がうまくいかず、口の中の温度が上がって、暑くなった口の中を冷ますのに、ついつい氷を食べてしまうという仮説もあるそうです。

また、自分ではおかしいとわかっていてもやめることができない行為を「強迫行為」といいますが、繰り返される氷食を強迫行為とみなし、精神疾患の一つ、強迫性障害とする立場もあります。

氷食症の治療と予防貧血予防の立場からは、一般の貧血と同じように鉄分の多い食材を摂取することや、バランスのとれた食生活をするという食事へのケアが挙げられます。

そのためにも、消化器科や婦人科に受診して、血液検査をして貧血かどうかを確かめる必要があります。たとえば、鉄欠乏性貧血だった場合、胃潰瘍、大腸がん、子宮筋腫などの病気が隠れている可能性もあります。

こうした疾患の治療や貧血に対しては鉄剤の処方など、さまざまな治療法があります。
また強迫性障害の立場からは、治療には心療内科や精神科を受診します。

そこでは抗うつ剤のSSRIを用いた薬物療法が有効とされています。ただし、うつ病よりも投与量は多くなることがあります。また、強迫性障害の人には完全主義者(潔癖な人)が多いので、認知行動療法を受けて、自動思考(無意識的な考え方のクセ)を修正していくこともすすめられています。

とりわけ、強迫性障害に有効な「暴露反応妨害法:EPR」があります。

いずれにしても、中途半端な治療は再燃や再発につながることから、自分の回復の程度を主治医によく効い、充分に回復するまで治療を続けることが再発防止にとって重要とされています。

氷食症と現代社会氷食症は冷蔵庫が発明され、製氷機ができるまではなかった病気といわれています。

その意味では、文明の利器が作り出した病気ということもできます。一方、強迫性障害も、清潔で便利で危険にさらされない日常生活で起こりやすいことが指摘されています。

現代の便利な生活自体が、こうした病気を造り出しているかもしれない可能性は、今後、ぜひ解明してもらいたいところです。
<執筆者プロフィール>
山本 恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

引用元:

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 班目幸寛(まだらめゆきひろ) フェイスブック ページへ  友達申請を是非♪  1978年生まれの宮城県出身。  元々は建築科、専門学校卒業後、建築関連の仕事に就いたがが、当人がADHDの気があり(白に近いグレー)、その時の苦労を元にカウンセラーのキャリアをスタート。  カウンセリングのメインは発達障害のカウンセリングだったが、カウンセリングを行うにつれ幅が広がり『分かっているのにできない、やめれない事』等、不倫の恋、経営者の意思決定なども行う。(相談案内へ)  趣味はバイク・自転車・アウトドア・ミリタリーグッズ収集・国内外旅行でリスクティカー。 『昨日よりも若くて、スマート』が日々の目標。  愛読書はV,Eフランクル 放送大学 心理と教養卒業 / 臨床心理プログラム 大学院 選科履修