産後、妻がほっと一息つけるのは、子どもが2歳になった頃から
出産後、仲の良かった夫婦関係に亀裂が入る「産後クライシス」や、産後2年以内に離婚する「産後離婚」をテーマにしたドラマ「残念な夫」が放送されています。ドラマでは、第1子出産後に積極的な育児参加を求める妻(倉科カナさん)と、どうすれば妻の気持ちを満足させられるのかに苦戦する夫(玉木宏さん)の日常生活がコメディータッチで描かれています。育児を経験した人なら「あるある!」と言いたくなるシーンが数多く見られるコミカルな作品です。
現代社会では、女性の社会進出とともに「子育ては女性の仕事」という意識が年々薄れています。共働きでの家事の分担は当たり前の時代になってきましたが、子育てに関しては「たとえ共働きではなくても、夫婦で協力していくべきなのではないのか?」という考え方も強くなってきています。実際に、専業主婦でずっと家にいたとしても、産後、ほっと一息つけるのは、一般的に子どもが2歳になったあたりからです。
特に第1子の子育ては、何もかもが初めてのことであり、手を抜く余裕はありません。かわいくて大切な存在だからこそ「何かあっちゃいけない」と神経をとがらせる毎日です。「社会から取り残されるような孤独や焦りを感じる」「もう煮詰まってしまいそう」「短時間のパートでも良いから外に出たい」といった感情に苛まれ、自由に動けなくなることに加えて、産後はホルモンバランスの変化によりヒステリックになりやすい状態に。「夫は自由に出かけたり、趣味を楽しんだりしているのに、私が出かけるとなると、おむつやミルクの用意を万全にして、夫の食事の用意をして、その上、なんで『お願いモード』なワケ?」と妻からの不満の声が聞こえてくるようです。
妻が夫に嫌気がさすきっかけは「子育てへの無関心」
しかし、最近は男性の意識にも変化や多様性が見られます。いくつかに分類してみました。
A、イクメン志願パパ:できることなら育児休暇を取りたい。早く家に帰ってお風呂に入れたい。うんちで健康状態がわかる。妻と子どもを取り合うくらい積極的。
B、お利口さんパパ:気が利くかどうかは別として、妻に言われたことを無難にこなす。育児の大変さを理解している。「妻を助ける」というスタンス。
C、マイペースパパ:育児に関わる気がないわけではないが、言われないとどうして良いかわからない。「父親らしくなろう」と努力はするが、自分中心の目線で進めていくので、妻の求めているものとはズレたり、空回りしてしまうことが多い。育児は妻がやることで、自分は「手伝う」というスタンス(ドラマ「残念な夫」の玉木宏さんは、このタイプです)。
D、伝統的信念パパ:仕事中心の生活。外で働き、たくさん稼ぐことこそが家族への愛情という信念を持っている。どちらかというと亭主関白。役割分担に妻が納得していれば円満だが、一緒に過ごす時間が少ないと家族の輪に入りにくくなり、後にさびしい気持ちを味わう恐れもある。
E、丸投げ幼稚パパ:仕事は普通にできるが、育児は妻に任せっきりで、お願いされても手伝わない。育児には無関心で好き放題する。イライラしている妻がうっとうしい。しんどいと愚痴をこぼすと「実家に帰れば?」「自分が産んだんだろ?」と言う。
離婚の原因は、浮気や暴力が代表的なものですが、離婚の動機で最も多いのは男女ともに「性格の不一致」です。特に産後、妻が夫に嫌気がさすきっかけは「子育てへの無関心」。そうした視点で見ると、上記DとEは「産後離婚」の危険性が高いといえるかもしれません。
「離婚したい」と悩む前に、気持ちが伝わっているかを振り返る
ただ、今の時代、上記BやCのタイプの夫が多いのではないでしょうか。だからこそ、「こんなはずじゃなかった、離婚したい」と悩む前に振り返ってほしいことがあります。「こういう風にしてくれると助かる」と夫に伝わっているでしょうか。あるいは、「言っているつもり」になってはいないでしょうか。よくありがちなのは、「こんなに忙しくバタバタしているんだから、空気を読んでくれても良いでしょ」と自分一人で怒っているケースや、夫を責めるだけでどうしてほしいかが伝わっていないケースです。
「言わないことはわからない、わかってもらえたらラッキー」なのが男女の関係です。「育児は育自」といわれますが、女性だけが先に大人にならないでほしいと思います。夫を教育し、もしも敵であるように感じているならば、味方にしていきましょう。そして「残念な夫婦」にならないように、互いをねぎらう気持ちを忘れないでください。
引用元
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