「心を強くする」には運動が欠かせないワケ | The New York Times | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

運動はうつ病に対して「大きく、重大な影響」があることがわかった(写真:Iakov Kalinin / PIXTA)

運動はうつ病の治療に効果的で、そもそもうつ状態になるのを防ぐ可能性があることが、最新の3つの研究で明らかになった。合計100万人以上の男女を対象とした過去の調査を検証したこれらの研究は、定期的な運動が私たちの肉体と脳を、絶望的になりにくいよう変化させることを強く示している。

科学者たちは長い間、肉体的な活動が心の健康に影響するのか、影響するとしたらどのようにするのかを議論してきた。運動が肉体を変化させることは周知の事実だが、肉体的な活動が気分や感情にどう影響するのかは、あまりわかっていない。

過去の研究はときに、体と心のつながりを解明するというよりも混乱させてきた。一部のランダム化比較試験では、ウォーキングなどを含む運動プログラムよって大うつ病性障害(うつ病)の患者の症状が緩和されることが明らかになっている。

しかし、こうした研究の多くは比較的規模が小さかったり、科学的な欠陥があったりした。運動とうつ病の研究についての2013年の大規模な検証では、当時入手可能な証拠に基づき、運動がうつ病の症状を改善させるかどうかを断定するのは不可能であると結論づけている。その他の過去の検証も、運動がうつ病を回避させるかどうかを示す証拠に欠けているとしている。

そこで国際的な公衆衛生の研究者グループは、より新しい研究を選択し、統計的な証拠をさらに厳密に考察することで、運動がうつ病の治療と予防に役立つことの正当性を裏付けることができるのではないかと考えた。

研究グループは運動とうつ病に関する最新かつ優れた研究を集め、おそらく最も革新的なのが、運動がうつ病予防の助けになるかどうかに焦点を当てたことだ。そうして得られた研究結果が10月に医学誌「予防医学ジャーナル」に発表された。

運動する人・しない人の大きな差

過去の研究の多くは、被験者の運動量は自己申告に頼っているが、人間というのは運動の記憶についてはあいまいになりがちだ。

そこで研究者たちは、被験者が行った有酸素運動を客観的に測定した調査のみを使用することにした。また、被験者の精神的な健康も調査の開始時と終了時に標準検査によって評価されていて、さらに1年以上の追跡調査を実施したものに限定した。

研究グループは結果的に、こうした条件を満たした過去の大規模調査を複数発見し、それらの被験者をすべて合わせると、成人男女114万以上のデータを得ることができた。

この膨大な数の人々の運動と精神的な健康の関係性を調べると、重大な発見があった。有酸素運動の仕方によって被験者を3つのグループに分けたところ、運動量が最も少なかった男女のグループは、最も多いグループよりもうつ病を患う確率が約75%も高かった。中間のグループについては、最も運動量の多いグループよりもうつ病になる確率は約25%高かった。

2つめの研究では、研究者らは運動がうつ病の治療に効果的かどうかを調べた。「ジャーナル・オブ・サイキアトリック・リサーチ」に6月に掲載されたこの研究は、うつ病の診断・治療を受けている人がなんらかの運動を行ったケースについての過去の25の研究を検証した。どの研究も運動を行わない対照群との比較を実施している。

結果、早歩きやジョギングなど特に適度に活発で、運動プログラムが完了できるように監督されている場合、運動はうつ病に対して「大きく、重大な影響」があることがわかった。人々の精神的な健康は、肉体的に活発だと明らかに向上する傾向にあった。

心の健康を得たいなら

3つめの研究は、運動が心の健康に影響を与える理由についてのヒントを示している。医学誌「ニューロサイエンス・アンド・バイオビヘイバラル・レビュー」に2月に掲載されたこの研究では、心的状況に影響を及ぼすと考えられる運動の最中や運動後に私たちの体の中で何が起きているのかという難解な問題を扱っている。

うつ病の人の運動前後の血液サンプルを調査した過去の20の研究を分析したところ、運動によってさまざまな炎症マーカーの値が著しく低下した一方で、脳の健康に寄与すると考えられるさまざまなホルモンや生化学物質のレベルが増加していた。

しかし研究者らは一方で、検証した研究の大半は規模が小さく、調査期間も短いため、運動がうつ状態を撃退する際、どのように脳に影響を与えるのか、確固たる結論を導き出すことはできないとしている。

それでもこれらの3つの研究を総合すると、運動は肉体的かつ精神的な健康を向上させる手段であることを確実に論証していると、研究論文の主要執筆者のひとりであるブラジルの運動科学者フェリペ・バレート・シューフは言う。

シューフによれば、うつ病の予防と治療のどちらにも役立つ理想的な運動の量や種類を結論づけるには、より多くの実験が必要だという。

しかし彼は、最近起きた出来事や日常生活に打ちのめされている人は誰でも、ランニングをしたり自転車に乗りに出かけたりすることを推奨している。彼らの研究で明らかになった最も重要な点は、「心の健康を向上させるには活動的になる必要がある」ということだと、シューフは言う。

(執筆:Gretchen Reynolds記者、翻訳:中丸碧)

引用元:http://toyokeizai.net/articles/-/148595?display=b

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 班目幸寛(まだらめゆきひろ) フェイスブック ページへ  友達申請を是非♪  1978年生まれの宮城県出身。  元々は建築科、専門学校卒業後、建築関連の仕事に就いたがが、当人がADHDの気があり(白に近いグレー)、その時の苦労を元にカウンセラーのキャリアをスタート。  カウンセリングのメインは発達障害のカウンセリングだったが、カウンセリングを行うにつれ幅が広がり『分かっているのにできない、やめれない事』等、不倫の恋、経営者の意思決定なども行う。(相談案内へ)  趣味はバイク・自転車・アウトドア・ミリタリーグッズ収集・国内外旅行でリスクティカー。 『昨日よりも若くて、スマート』が日々の目標。  愛読書はV,Eフランクル 放送大学 心理と教養卒業 / 臨床心理プログラム 大学院 選科履修