ローリング・ストーンズに学ぶ
05.17 17:30Forbes JAPAN
「欲しいものがいつでも手に入るわけではない」──ストーンズはこう歌うが、私たちはそうは思わない。
2017年ミリオン・ダラー・コンサルティング会議に出席するためシカゴを訪れた私たちは、ネイビーピアにオープンした展示会「ザ・ローリング・ストーンズ・エクジビジョニズム」で素晴らしい夜を過ごした。史上最も偉大なロックバンドの一つであるストーンズの音楽、ビジネス、そして創造的な生きざまについての展示で、会議と組み合わせるには完璧な経験だった。
展示は、ストーンズ結成時の逸話や、音楽や文化への多大な影響、創造性や働き方のスタイルを推進したものについて紹介し、来場者は彼らの人生の一部を垣間見る内容だ。駆け出しの頃に共同生活していた家や、レコーディングスタジオ、ツアーや知的財産の裏にある創造的なプロセス、ファッション、さらには楽屋の様子までを見ることができる。
非常に印象的で、得るものの多い展示だったが、ここではミック、キース、チャーリー、ロニーの4人とその協力者たちから学ぶ、ビジネスと自分自身の個人ブランドについての5つの知恵を紹介しよう。1. 創造することの重要性
あなたが今、駆け出しの状態にいようと、作り上げたブランドを永続させようとしていようと、あるいは違うことに取り組み始めていようとも、自分の知的財産に相当の創造力を注ぐこと。ストーンズは、共同生活をしながらほとんどの時間とエネルギーを曲作りに費やしていた。
あなたは、どれだけ多くのものを生み出せるだろう? 新しい仕事、記事、ツール、プロセス、視覚表現を創り出すためのやり方を持っているだろうか?
2. 視覚表現の重要性
一定以上の年齢なら、ストーンズと聞いて思い出すのは、特徴的なあの舌のロゴだろう(もちろん、好きな曲を思い出す場合は別だが)。このアイコンは長年の歳月を経ても廃れていない。ストーンズがブランド刷新を図ることなど、想像できるだろうか?
バンドのイメージを決定づけたのはロゴだけではない。作品やパフォーマンスのカリスマ性、一連のポスター、写真、アルバムアートや商品(アンディ・ウォーホルとのコラボ作品もある)が、この伝説的バンドのブランド力と神秘性を培った。現代の若者は、セルフィー(自分撮り写真)を生み出したのは自分たちの世代だと思っているだろうが、発明したのは実はストーンズだ。
あなたのブランドはどうだろう? あなたは何かを表象しているだろうか? ビジュアルによってブランドは強化されているだろうか?3. パッケージの重要性
ストーンズにとってのビジュアルとは、グラフィックデザインにとどまらず、ファッションや装飾品にも及んだ。展示では、彼らのギターにまつわる物語だけでなく、ファッションへの多大な影響についても紹介していた。ストーンズは、音楽上の挑戦と同じぐらい、ファッションを通じて世界に影響を与えることを楽しんでいたようだ。
あなたはどうだろう? 業界をリードし、危険を冒した挑戦ができているだろうか? あなたのファッションは、自分を目立たせているか? 同僚や競合相手と区別がつかない「壁の花」になっていないだろうか?4. 体験を演出する重要性
ロックンロールが爆発的人気を得ると、ミュージシャンたちはパフォーマンスに磨きをかけていった。それを率いたのが、ストーンズだ。音楽だけでは不十分とでもいうかのように、ストーンズはライブを通じ、目もくらむような体験を演出した。展示では、舞台裏の演出過程を設計図や3D模型とともに見ることができ、ショーの全てが綿密に練り上げられていたことが分かる。
あなたのブランドや、あなたの企業のブランドは、どんな体験を提供しているだろう? 素晴らしい顧客体験を演出できているだろうか? 成り行き任せにしていないだろうか?5. 充電することの重要性
展示を締めくくる3Dコンサート体験とギフトショップの直前に見ることができるのが、ストーンズの楽屋だ。ここは、ストーンズがショーの前後にカメラを気にすることなくくつろぐことができた憩いの場だった。ここでメンバーたちは絆を強め、ステージ上で爆発する前にライブパフォーマンスへの情熱と期待を高めていた。
あなたのエネルギーを充電するものはなんだろう? 心を情熱で満たすためには、どんな空間や行動が必要だろうか? 仲間たちと笑い、学び、楽しく過ごすためにはどうしたらいいだろう?
精力的なツアーを次から次にこなすストーンズを見ていると、ロックンロールな生き方がたやすいものに思えてくる。だが、今回の展示で垣間見えたのは、彼らの実際の物語。舞台裏、戦略、イノベーション、個人の努力、そして成功と進化のために必要な忍耐だ。
時代を超えて生き残るブランドを築く下地を創り、共有していくために、あなたはどんなことをしているだろうか?
本記事はBower & Co. Consultingの収益戦略専門家、ゲール・S・バウアーと共同執筆したものです。引用元
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