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対人関係や依存症…ADHDの大人が陥りやすい諸問題
アピタル・中島美鈴2018年3月30日

 前回は、「ADHDの人はうつ病になりやすい?」といったテーマで、大人のADHDとうつ病の関係について紹介しました。ADHDがベースにあると、その特性ゆえに二次的にうつや不安といった問題が生じやすいことをお伝えしました。今回は、大人のADHDの人が抱えやすいその他の問題について、海外の研究を交えて触れてみたいと思います。

ADHDの人はうつ病になりやすい?
対人関係の問題
 ADHDの方の多くは、社交的で、人当たりのよいことが知られています。

 初対面でも物おじせずに人と仲良くなれたり、子どものように無邪気で楽しい雰囲気なので、人が自然と集まってくるのです。

 ただ、中には、こうした社交性の反面、人間関係で悩みを持つ人もいるようです。

 「私が得意なのは、出会ってすぐのほんの数カ月だけ。ほんとの私を知るとみんな引いてしまって、離れていくんだ」

 と寂しそうにおっしゃる方もいらっしゃいます。

 そうなのです。人と関係を新しく作ることは得意でも、「継続」するのが難しいとおっしゃる方が多いのです。

 

 定期的に連絡をとりあうとか、同じ屋根の下で毎日の結婚生活を送るとか、まめに報告するとか、約束を忘れずに果たすといったことが人との信頼関係を築く要素のいくつかだとすれば、ADHDの人にとってこれらは苦手なことになるのです。

 コツコツと同じことを繰り返すことが苦手なADHDの人の多くにとって、対人関係を継続させるのは難しいようです。

 その結果、大人のADHDの人は離婚率が高く、友人、同僚、雇い主とうまくやっていくのが難しい(Weiss & Hechtman, 1993 ※10)と報告されています。

 異性のパートナーとの関係においては、離婚率だけでなく、こんな調査もあります。米国でADHDの子どもとそうでない子どもを青年期まで追跡したところ、ADHDの青年はそうでない青年と比べて早い時期に性交渉をもち、避妊せず、性感染症にかかる割合が4倍高く、女性では20歳までに妊娠する確率が10倍高いことが報告されています(Barkley et al,2006 ※1)。

 また、仕事面においては、ADHDの人は、特にチームプレーを求められて、皆が横一列になって足並みをそろえて動かなければならない職場は苦手な傾向があります。自分のペースで仕事ができないことは、卓越したひらめきと行動力のあるADHDの人の長所を生かせないのです。いわゆる「スタンドプレー」が求められる仕事の方が向いていると言えるでしょう。

 

依存性の問題
 大人のADHDの人(18歳以上)が、お酒や薬物などに依存してしまう「物質使用障害」を、15.2%という高い確率で併せ持っている(Kessler et al, 2006 ※7)ことも報告されています。これは、ADHDでない方の有病率の3倍にあたる割合でした。

 また、ADHDの人がネット依存になりやすいという報告もありました(Bielefeld et al, 2017 ※5)。ADHDの「過集中」という特徴からゲームやインターネットなどにのめり込んでしまうことも社会問題化しつつあります。

 

継続性の問題
 ADHDの方は、脳の報酬系とよばれるしくみに特徴があることが報告されています。ゲームのような新しくチャレンジングで結果が即座にフィードバックされるものには過度に集中する一方で、「卒業」や「資格取得」といった数年後のご褒美ではやる気を継続することができず、退学してしまったり途中で挫折してしまったりする人が多いことも知られています。

 

不注意、衝動性の問題
 また、金銭管理がうまくいかず、ついつい浪費してしまうというADHDの方は多くいらっしゃいます。これには衝動買いに代表されるような「衝動性」の高さがかかわっているようです。実際、私たちの行っている臨床研究に参加された大人のADHDの方の多くは、「時間管理の次は金銭管理のプログラムを作って欲しい」と希望されています。

 さらに、交通事故の多さも目立っています。これは脇見運転のような「不注意」の問題が関連していると言われています。向こう見ずな危険運転をする人もいるのかもしれませんが、多くの場合は、もしかすると、時間がぎりぎりで慌てることが多いために交通事故が引き起こされるのかもしれません。

 

 海外の調査研究では、他にもさまざまな問題が報告されています。ADHDの人はそうでない人と比較して、総じて次のような特徴が報告されているのです。

 学歴が低い▽就業率が低い▽給料が少ない▽転職の回数が多い▽仕事の評価でマイナス評価を受けやすい▽離婚率が高い▽人間関係の満足度が低い▽精神障害と物質使用のリスクが高い▽日常生活で必要なことを遂行する能力の問題を訴える割合が高い(Barkley, 2002 ※2; Barkley, Murphy, & Kwasnik, 1996 ※3; Biederman, 2005 ※4; Fischer et al., 2002 ※5; Murphy & Barkley, 1996 ※8; Rasmessen & Gillberg, 2000 ※9; Weiss & Hechtman, 1993 ※10)。

拡大する写真・図版
 このように、大人のADHDの方々は、学業、仕事、家庭、友人関係、異性関係などさまざまな側面で困難を抱えがちであることがおわかりいただけたかと思います。ネガティブなデータばかりを並べてしまって、お気を悪くされた方もいらっしゃるかもしれません。そのようなリスクを冒しても今回執筆したのは、もしこのようなことでお困りの方がいらっしゃって、それがもしADHDの特性から引き起こされていることを知らないまま、自分を責めていらっしゃるのだとしたら、何か解決のヒントになればと思い、書き進めた次第です。

 実際に、ADHDの方でギャンブルがやめられず、子育てや家事を放棄しがちになることで自分を責めている母親が、自身のADHDの特性を理解して、服薬したり、自分のやる気を引き出す環境設定をしたり、ギャンブルとのつき合い方を学ぶ中で、徐々に生活を立て直していった例もあります。自分の特性がわかれば、自分とのつき合い方がわかり、問題行動に対処しやすくなるのです。

 

 このコラムでは、仕事でミスばかりつづき、友人や恋人との関係もうまくいかず、「生きるのがつらい」と感じている架空の女性・リョウさん(30代前半・独り暮らし)をモデルに、大人のADHDの方がかかえる問題との付き合い方を紹介しています。悩める皆様のヒントになれば幸いです。

引用元
https://www.asahi.com/articles/SDI201803285816.html

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 班目幸寛(まだらめゆきひろ) フェイスブック ページへ  友達申請を是非♪  1978年生まれの宮城県出身。  元々は建築科、専門学校卒業後、建築関連の仕事に就いたがが、当人がADHDの気があり(白に近いグレー)、その時の苦労を元にカウンセラーのキャリアをスタート。  カウンセリングのメインは発達障害のカウンセリングだったが、カウンセリングを行うにつれ幅が広がり『分かっているのにできない、やめれない事』等、不倫の恋、経営者の意思決定なども行う。(相談案内へ)  趣味はバイク・自転車・アウトドア・ミリタリーグッズ収集・国内外旅行でリスクティカー。 『昨日よりも若くて、スマート』が日々の目標。  愛読書はV,Eフランクル 放送大学 心理と教養卒業 / 臨床心理プログラム 大学院 選科履修

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