メンタル不調者が続出する組織の共通点。1万人以上面談した産業医が指摘する「はなす技術」とは? « ハーバービジネスオンライン

メンタル不調者が続出する組織の共通点。1万人以上面談した産業医が指摘する「はなす技術」とは?

2017.7.11

 これまで1万人以上を面談した産業医の武神健之です。前回と前々回の記事では、メンタル不調者が出ない組織の上長が共通して持っている「みる技術」と、「きく技術」について書かせていただきました。

photo by acworks

「みる技術」や「きく技術」を持っている上長は、相手のことを知らないということを知っており、相手について「~だろう」と断定した考え方をせず、「~かもしれない」という柔軟な思考をすることができ、また、部下の話を遮らず黙って聞き、効果的な質問をできるマインドを持っています。

 今回は、コミュニケーションが円滑になされていてメンタル不調者が出ない組織の上長が持っている「はなす技術」についてお話しさせていただきます。

「はなす」を漢字で書くと、

1.言葉で相手に伝える「話す」
2.手放す、握っているものを解き放つという意味の「放す」
3.距離や空間を分離するという意味の「離す」

 以上の3つの意味があります。「放す」と「離す」の2つは、自分の持っているものをはなす、時間空間的距離をはなすということです。

 特に会社の上司にとっては部下との距離感として意識していただきたい「はなす」です。これは部下との単なる物理的・空間的距離感だけではなく、接する時間や見守る時間という意味での適切な時間的距離感も含みます。

◆確認と承認、「いる」という言葉

 ハラスメント被害者を出さない、メンタルヘルス不調者を出さない上長は、上手にこれらの「はなす」ができています。部下と適切な距離感を持って上手に「はなす」ことによって、部下に自主的に動いてもらっています。はなして相手に任せることが、相手のやる気、そして、相手に主体性を持ってやってもらうことにつながっているのです。

 この時に、“任せる”ことと、“ゆだねる”ことを混同してはなりません。

 部下に全部任せっきりであとは放置という上司がたまにいますが、これはよくありません。上長自身によくわからない業務があって、それを部下に丸投げしたとすれば、それは任せたのではなく無責任に委ねたということです。

 この「いる」が入っているだけで大きな違いがあります。

「やってね」「頑張ってね」は、確認の言葉です。相手を信じる度合いが低い時に使われる印象があります。相手ももしかして信用されていないかも?と感じている(いずれは感じる)可能性がある言葉です。

 それに対して、「やっているね」「頑張っているね」は、承認の言葉です。

 人間は、相手(上長)に見守られている、信じてもらえていると感じたとき、より「がんばろう」「やろう」と自発的にそう思えるのです。仕事への意欲や主体性が高まるのは、あくまで部下の自発的な行為です。できる上司は、この「いる」を上手に使い、部下のやる気、主体性を高めているのです。そして私の経験上、この”いる”を言えている上長の下ではメンタルヘルス不調者はほとんど出ません。

◆部下に花を持たせる

 実はメンタル不調者を出さない上長、ハラスメント被害者を出さない上長、リーダシップのある上長は3つの「はなす」のほかに、もうひとつの「はなす」ができています。

 私は研修などではあえてそれを4つ目として、花をもたせる意味で「華す」という言葉でお伝えさせていただいています。

「華す」とは、部下に任せて、そして成功体験を積んでもらうことが、部下の成長や主体性につながるという意味です。「放す」と「離す」と前述の「いる」という言葉かけができてはじめて、「華す」ということが可能になります。

 リーダーシップのある上長、ハラスメント被害者やメンタルヘルス不調者を出さない部署のコミュニケーションが上手な上司というのは、部下に仕事をただ任せるだけでなく、小さいながらも成功体験を積ませるということを繰り返し経験させます。

 もちろん「はなす技術」のある人たちが、常にそういうことを意識しているわけではないでしょうが、おそらく共通して、成功体験がすなわち主体性をもたせるということができるとわかっているのでしょう。

◆達成感を知っている人は強い

 では、どうやれば成功体験が主体性をもたらすのでしょうか。この間にあるのが、達成感です。短期間の集中や頑張りで達成感を得たことのある人は短期間に強く、長期間の努力や積み重ねで達成感を得たことのある人は、長期間に強く、仲間との協力により達成感を得たことのある人は、協力・仲間・協調性で強く、困難な状況でもすぐに諦めずに自ら対処して行くのです。

武神健之氏

 では、達成感を得るためにはどうしたらいいのでしょうか。それは、達成するまで部下にやらせるしかありません。上司は部下が達成するまで見守り応援するしかありません。だからこそ、適切な時間的空間的距離感や、確認ではなく承認の「いる」言葉が用いられるのです。

 できる上長から部下は、この達成感を学んでいるのです。これらのことを意識して、「はなす」技術を使ってみてください。

<文/武神健之>

【武神健之】
たけがみ けんじ◯医学博士、産業医、一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。20以上のグローバル企業等で年間1000件、通算1万件以上の健康相談やストレス・メンタルヘルス相談を行い、働く人のココロとカラダの健康管理をサポートしている。著書に『職場のストレスが消える コミュニケーションの教科書―上司のための「みる・きく・はなす」技術 』(きずな出版)、『不安やストレスに悩まされない人が身につけている7つの習慣 』(産学社)、共著に『産業医・労働安全衛生担当者のためのストレスチェック制度対策まるわかり』(中外医学社)などがある

引用元

https://hbol.jp/145485?display=b
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 班目幸寛(まだらめゆきひろ) フェイスブック ページへ  友達申請を是非♪  1978年生まれの宮城県出身。  元々は建築科、専門学校卒業後、建築関連の仕事に就いたがが、当人がADHDの気があり(白に近いグレー)、その時の苦労を元にカウンセラーのキャリアをスタート。  カウンセリングのメインは発達障害のカウンセリングだったが、カウンセリングを行うにつれ幅が広がり『分かっているのにできない、やめれない事』等、不倫の恋、経営者の意思決定なども行う。(相談案内へ)  趣味はバイク・自転車・アウトドア・ミリタリーグッズ収集・国内外旅行でリスクティカー。 『昨日よりも若くて、スマート』が日々の目標。  愛読書はV,Eフランクル 放送大学 心理と教養卒業 / 臨床心理プログラム 大学院 選科履修

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