幅広い分野で活用されているアロマテラピー
アロマテラピー(芳香療法)とは、植物から抽出された揮発性の芳香成分で、薬理効果が期待でき、ドイツでは医療として認知されています。
最近では様々な分野、例えばリラクゼーションはもちろん心身の健康、美容、暮らし、スポーツ、医療など各分野の専門家に取り入れられ幅広く活用されていますが、その中でも最近顕著なのが介護現場での活用です。
アロマテラピーは、睡眠障害やメンタルケア、室内のウイルス除去や消臭効果が期待できますが、それに加えてヘルパーやご家族の“介護力”を支える身体的・精神的負担のケアに役立っており、その結果、介護の質を高める原動力にもなっています。介護現場でのアロマテラピーの利用シーンとポイント
・施設内の空気清浄効果
殺菌作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、がありますので、汚物や人から発する臭気や菌を改善する効果があります。
お勧めのオイル:ティートリー、レモン、ユーカリなど。・夜中の徘徊や不眠
アロマテラピーには副交感神経を高めて入眠を助ける効果があります。
不眠である介護者の中には、いつもより長く睡眠を取ることができる効果が期待でき、スタッフの皆さまも、香りに癒されてストレスが緩和されるという声もあります。
お勧めのオイル:ラベンダー、カモミールローマンなど・オムツ交換時の悪臭管理や、体臭、口臭の臭気を改善する効果も期待できます
スタッフが気持ちよく働ける職場環境を保つためにも、重要です。
お勧めのオイル:ティートリー、ペパーミントなど・アロマトリートメント・・“肌に触れてもらう”行為はとても安心感を与えてくれます
最近では、アロマトリートメントのボランティアの方の活動はとても意義あること思います。認知症にもアロマテラピーは効果がある!?
認知症にもアロマテラピーの効果は素晴らしいものがあると言われています。
なぜ認知症に良いのでしょうか?
脳の大脳辺縁系にある「海馬」は、体験や学習によって得られた記憶を貯蔵する場所ですが、認知症になるとこの「海馬」がダメージを受け記憶障害を起こすといわれています。
鳥取大学の浦上教授によると、海馬がダメージを受ける前に嗅覚機能が低下しますが、「嗅覚を刺激すれば海馬の機能が回復する」可能性があるということです。
認知症の主な原因である認知機能障害を、アロマセラピー(芳香療法)で治療可能であるという技術を鳥取大学医学部生体制御学講座の研究で実証しました。
ここ数年では、認知症とアロマテラピーの有効性が認められて、世の中の“認知症”の方や“認知症予備軍”のシニアがアロマショップに並んでいる様子は記憶に新しいところです。アロマテラピー(芳香療法)は、嗅覚を通じて香りの電気的信号が直接大脳辺縁系に作用するので、ダイレクトに刺激を与えることができる有効な方法と言えます。
<認知症アロマテラピーの活用方法>
朝と夜にアロマを芳香浴(空気中に香りを拡散させて香る方法)するだけの簡単な方法です。
ハンカチやティッシュに垂らして香る方法も十分に効果的です。
朝・・ローズマリー2滴+レモン1滴
朝起きて2時間程度、芳香浴します
夜・・ラベンダー2滴+オレンジ1滴
寝る前の2時間程度、芳香浴をします私は老人施設での文化教室であるアロマテラピーレッスンを受け持っておりますが、ご参加者全員が認知症の時もあります。
香りがわからない方が多く、嗅覚機能が低下していることが考えられますが、オレンジやレモン、ヒバやゆずの香りを試香紙に垂らして嗅いでいただきますと、顔色や表情がだんだんとはっきりしてくる様子は、素晴らしいものがあります。
感覚器の中の嗅覚機能は鍛えたら復活する神経細胞です。
昔から嗅ぎなれた香りを“積極的に香る”効果は、嗅覚機能を回復させて認知症にも良い効果が期待できるものと確信しております。いつまでも心身ともにお元気なシニアをアロマテラピーで応援していきたいものですね。
引用元
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班目幸寛(まだらー)
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