依存する人しない人、スマホ「5分」の使い方はどう違う?
年末が近づき、今年も恒例の新語・流行語大賞の候補が発表された。「ポケモンGO」やYouTubeでブレイクしたピコ太郎の「PPAP」など、スマホ経由で楽しむコンテンツの話題が有力視されている一方で、ながらスマホや歩きスマホが事故を引き起こすなどネガティブな面がフォーカスされる可能性もある。果たしてスマホは善なのか悪なのか? スマホに依存することなく、効果的な使い方をするための「5分」の重要性とは。
執筆:中森 勇人
悪いのは、あなたでもスマホでもない
『スマホの5分で人生は変わる』(KADOKAWA) アメリカのスマホ動画マーケティング会社Wyzowlによると、スマホを使っている人の7%は自分の誕生日すら忘れていて、10代の25%は仲の良い友達の基本的な情報を忘れているのだという。また日本でも、2016年にMMD研究所が実施した調査では、「かなり依存している人」の21.2%が、スマホとの接触時間が7時間以上と回答している。
「ポケットからすぐにスマホを取り出すことで、安易に刺激物質で脳を満たすことができるため、夢を追いかけることをしなくなる『無気力人間』が次々とうまれています」と警鐘を鳴らすのは、『スマホの5分で人生は変わる』(KADOKAWA)の著者である小山竜央 氏である。
スマホの普及でニュースサイトから手軽に情報が手に入り、SNSで人と簡単に繋がれるようになった一方で長文を読むのが苦手な人やコミュニケーションがうまく取れない若者が増えているのも事実だ。
しかし、小山氏は「あなたは何も悪くありませんし、スマホ自体が悪いわけでもありません。大切なのは『使い方』です」と指摘する。
ポイントは「5分」の使い方
同氏によれば、ポイントは「5分」という細切れの時間の使い方が重要なのだという。ちょっとした待ち時間や移動の時間、仕事の息抜きにとプレイするオンラインゲームや覗いてしまうSNSアプリなど。何気なく操作するスマホ画面が実は大切な時間を奪っているのだ。
さらにその根拠として「短い時間だから大丈夫」、「いつでも止められるから大丈夫」と言う気持ちがあるからとし、これこそがスマホ依存の表れなのだと主張する。
人はSNSやゲームをすることで脳から微量の快楽物質(ドーパミン)が分泌され、それが依存症を引き起こす。この脳への刺激を利用し、依存を増幅させるアプリケーションが世の中に氾らんしていると分析をしている。
ゲームアプリのアバターに代表されるカスタマイズ性、やればやるほどレベルが上がる称号システム、キャラクターやアイテムを集めたいというコレクション性に加え、あえてゴールを作らずいつまでもやり続けるシステムやSNSでは「いいね!」を獲得するために費やす長時間のアクセスなど、その仕掛けは枚挙にいとまがない。
自身がゲーム業界でヒット作を作ってきた経験による切り口だけに説得力がある。では、スマホに振り回されないためにはどうすれば良いのか? まずは、快楽をもたらす刺激の理由を視覚化すること、そして自分が成長することに刺激をすりかえることだと小山氏は指摘する。