生きる意味を見失うほど辛い出来事があるときには注意が必要です。
非常に大きなストレスや心の負荷がかかる場合には心の問題だけでなく脳の内部や内臓全般にまで大きな影響を与えてしまい、厄介な病気を引き起こしてしまう事があるのです。
要チェック項目
□生きる意味を見失う時には精神疾患に注意しよう
□時には全身の病気につながるので、病院での治療が必要になります
□ストレスのコントロールで体の状態をコントロールする事が重要です
生きる意味を見失う時は要注意
生きる意味を見失うというのは非常に大きな困難を経験すると誰しも体験します。
家族の死別、一所懸命勤めていた勤務先でのリストラ・大きな病気など様々な事が原因で人は生きる意味を喪失していきます。
このような生きる意味・生きる目的の喪失は実は非常に大きな問題を体に与えていく事がわかっています。
大きなストレスが加わると脳の内部では神経伝達物質の分泌量に異常がおこることがわかっていて、全身に様々な影響を与えていきます。
体の全身のバランスを整えている脳の視床下部という部分は特に敏感に影響を受けることがわかっていて、ストレスによって自律神経という神経の機能に異常が出てくると言われているのです。
自律神経は体の内部のバランス維持に一番重要な働きをしている神経と考えられていて、心臓の拍動や呼吸のリズムはこのような自律神経のバランスによって維持されています。
また、ストレスはホルモンのバランス機構である内分泌系にも悪影響を与えてしまうので、ストレスに敏感な方は非常に注意が必要になるのです。
辛い出来事は思わぬ病気を呼び寄せる
辛い出来事を経験すると心の疾患を引き起こしてしまいます。これは特に生きる意味を見失ってしまったような辛いショック・ストレスが加わっている状態では特に注意するように心がけることが必要です。具体的には以下のような疾患が知られています。
うつ病
うつ病は心の病の代表的な病気で、多くの日本人が毎年うつ病を経験しています。うつ病の主な症状は長い間続く抑うつ気分・気力の低下・希死念慮などの症状が知られています。
このようなうつ病の症状がではじめる一つのきっかけに大きなストレスがあります。大きなストレスが続いてしまうと脳の内部では情報伝達がうまく行われなくなってしまいます。
このため、やる気を起こすための情報や元気を出すための情報が邪魔されてしまい、気力が低下した状態が続きます。このような気力の低下はやがて抑うつ気分につながり、希死念慮という自殺願望にまで発展してしまいます。
心の問題でも悪化してしまうと死に至ることがあるので、十分に注意しながら治療を受けなくてはなりません。
統合失調症
統合失調症は非常に症状が特徴的な病気です。この病気では被害妄想や幻聴などの症状が現れ、ひどい場合には日常生活に非常に大きな支障をきたしてしまいます。
統合失調症も発祥の背景に強いストレスや強い不安などがあると言われていて、大きなストレスが加わり続けた結果統合失調症に至ってしまうのです。
統合失調症はうつ病などの他の病気と同時に併発することが知られていて、症状がひどい場合には必ず医師の治療が必要になります。
不眠症
不眠症は様々な精神疾患のきっかけとして知られています。ストレスが加わると体は興奮する機能が高まってしまい、リラックスする機能が低下してしまいます。
こうなってしまうとうまく睡眠に至ることができなくなってしまい人によっては不眠自体が大きなストレスになりうつ病などに移行してしまいます。
生きる意味を見失うほど大きなストレスはこれらの病気を引き起こす原因になってしまいます。ストレスを溜めないような工夫が重要です。
ストレスが引き起こす全身の病気
ストレスは時に大きな全身の病気を引き起こします。ストレスが原因で起こる病気は心臓の病気以外に消化器の病気が知られています。
消化器ガン
消化器のガンはストレスと密接な関連があります。ストレスが重なってしまうと消化器の粘膜が減少し、胃などでは粘膜のダメージを受けやすい環境に変化してしまいます。
また、胃酸の分泌の異常が起こると食道や小腸などにも悪影響を与えてしまうので、ストレスが長期間加わることで消化器は常にダメージを受けることになるのです。
ダメージを繰り返し受けてしまうと細胞は徐々に変化を起こしてしまい、やがてガン化を引き起こします。
冠動脈疾患
冠動脈というのは心臓自体に栄養を送っている血管で、この血管が目詰まりしてしまったり細くなってしまうと狭心症や心筋梗塞などの病気を引き起こしてしまいます。
ストレスにより体には様々な変化がおこります。その一つの血管の収縮は狭心症の重要な原因です。長期にわたるストレスや生きる意味を見失うほどのストレスには要注意です。
ストレスが重なったときの対処法
生きる意味を見失うほど大きなストレスを抱えてしまうとやがて精神的な疾患にかかってしまうことがあります。このため、ストレスが加わった時にはストレスから逃げることが大切です。
ストレスを感じた時には無理をせず、しっかりとした睡眠をとったりうまく気分転換を図ることが効果的です。
辛い考えや記憶が頭から離れなくなってしまった場合には映画を見たりコメディー番組を見るなどうまく気持ちをコントロールすることが大切です。
気持ちのコントロール技術が向上することで深刻な疾患に至る前に未然に防ぐことができます。適度な休養や気持ちのコントロールに気をつけながら毎日の生活に工夫を取り入れてみましょう。
どうしてもストレスから離れることができず、不安感が頭をよぎる場合には必ず医師に相談するように心がけましょう。ストレスのコントロールには様々な方法があり、より専門的なトレーニングが必要になることがあります。
自律訓練法などのストレスや心の問題のコントロール法を身につけることでストレスへの対処技術を向上させましょう。
病気の疑いがある時は病院へいこう
ストレスが原因の病気の疑いがある時には必ず病院に行くように心がけましょう。精神的な疾患だけでなく、全身の病気などの様々な疾患を見過ごしているとやがて取り返しがつかないような状況に至ることもあります。
特に心の病気は自殺を引き起こすきっかけになる事もあり、注意が必要です。わずかな睡眠のトラブルやわずかな抑うつでも不安な場合には必ず医師や看護師に相談をしましょう。
病院では投薬治療などの薬を用いた治療により、体の内部のバランスを整えたり、脳の働きを正しくコントロールします。
このほかにも認知行動療法などの考え方の異常を取り除いて体の状態を整える治療や睡眠のコントロールなどを含めた全身の治療を受ける事ができるので、必ず病院で治療を受けましょう。
生きる意味を見失わないようにしよう
生きる意味は人が生きる上で非常に重要な事です。
生きる意味の喪失は人生にとって非常に大きな穴を開けてしまう事になり、やがてうつ病などの体の病気につながってしまいます。
生きる意味を失ったり、生きる意味を喪失しかけた時には必ず医師やカウンセラーに相談をするように心がけましょう。
(監修:Doctors Me 医師)
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