もしあなたが科学者で、何か大発見をしたとしたら、その化合物には自分の名にちなんだ名称を付けることだろう。
では心理学者は?彼らは文学に頼ってきた。フロイトをはじめとする有名な心理学者は、お気に入りの物語に登場する架空のキャラクターにちなんで新しい症状を命名した。不思議の国のアリス症候群やピーターパン症候群から、ラプンツェル症候群にいたるまで、ここでは文学の登場人物にちなんでつけられた15の様々な心理的症状、症候群を見ていこう。
■ 1. ハックルベリー・フィン症候群
[画像を見る]
『ハックルベリー・フィンの冒険』にちなんだもの。子供の不登校などを示す定義のはっきりしない用語だ。いかだに乗って釣りに行ってしまったり、最近ならゲーム漬けになっている子供を想像するといい。心理学者、J・C・セガンによると、しばしば小さい頃の反抗期として始まり、大人になっても仕事が長続きしない、しょっちゅう欠勤するといった症状に至るという。両親からの拒絶や劣等感などへの反応として発症すると考えられている。
■ 2. オセロ症候群
[画像を見る]
1955年、ジョン・トッドとケネス・デューハーストは”オセロ症候群”について論文を発表。「精神病の危険な形」と言及されたこれは、配偶者が不貞を働いているという妄想が主な症状である。浮気を疑い妻のデズデモーナを殺害したシェイクスピアのオセロにちなむ。いくつかの研究からは、精神病というよりは、神経疾患を患う年配の男性に一般的であることが示唆されている
■ 3. ポリアンナ症候群
[画像を見る]
半分まで水が入ったグラスを見て、半分も水が入っていると考えるタイプの人間なら、1913年にエレナ・ホグマン・ポーターが書いた『少女パレアナ』に登場するパレアナと言えるかもしれない。日本では小説を原作としたテレビアニメ『愛少女ポリアンナ物語』で一般に知られるようになった為、パレアナ症候群ではなくポリアンナ症候群と呼ばれている。
心理学者の中には、あまりにも非現実的な、危険なまでの楽観主義をポリアンナ症候群と呼ぶ者がいる。これは実際のポリアンナの問題解決のための楽観主義とは異なり、その家族や本人に悪影響がある場合もある現実逃避のための楽観主義である。
■ 4. ドリアン・グレイ症候群
[画像を見る]
オスカー・ワイルドが生み出した「ドリアン・グレイの肖像」に出てくるドリアン・グレイのように、醜形恐怖に苦しむ人々は肉体的魅力に対する妄想的な執着がある。加齢を受け入れることができず、整形手術、性的不能治療薬、植毛などに頻繁に頼り、できるだけ若さを保とうとする。それらの人をさしてドリアン・グレイ症候群と呼ぶ。
■ 5. シンデレラコンプレックス
[画像を見る]
作家のコレット・ダウリングが同名の著書の中で1981年に提唱した。無意識的に自立を恐れる女性特有の症状である。
ダウリングによると、「成人しても男性に依存し、男性なしでは心許なさや不安を感じる女性……シンデレラコンプレックスは、仕事において不適切かつ非効果的な行動へ至らせ、成功を不安に思い、自立を恐れることで、女性らしさも喪失させる」。依存への潜在的な願望によって、女性は人生を変えてくれる男性のパートナー(王子様)を待ち続けることになる。
■ 6. スーパーマンコンプレックス
[画像を見る]
スーパーマンコンプレックスには二つの意味がある。マンガ嫌いで有名なフレデリック・ワーサムのような心理学者なら、「他人が繰り返し罰され、ヒーローはお咎めなしという加虐的な歓び」のファンタジーを好む有害な状態と答えるだろう。だがこれは支持されていない。
マックス・キャリーの定義の方が一般的だ。彼が言及しているのは、燃え尽きる危険も顧みず、しゃかりきに頑張る人物のことだ。キャリーによると、スーパーマンコンプレックスの人々は自分がどんな問題でも解決できると考えており、そのために睡眠も食事も犠牲にすることを厭わない。またご想像の通り、彼らは人を操ろうとし、自己愛的で、一緒に働くことが躊躇われる人物だ。
■ 7. 眠れる森の美女症候群
[画像を見る]
クライン・レビン症候群とも言われる。数週間も眠り続けるのが主な症状だ。発症すると日常的な活動はほとんど行われず、患者は寝て、食べて、トイレに行くだけになる。起きているときもボーッとして、行動に混乱が見られる。性欲亢進を伴うこともある。治療は難しいが、8~12年もすると頻度が減る傾向がある。
■ 8. エディプスコンプレックス
[画像を見る]
文学にちなんだ心理的障害名で最も有名で、ジークムント・フロイトが提示した概念である。息子が母親を手に入れようと、父親に対して対抗心を抱いたときの状態。フロイトはソポクレスの戯曲『オイディプス王』にその名をちなんだ。彼は、子供期において正常なステージであるとした。ユングはこの少女版であるエレクトラコンプレックスを提唱している。
■ 9. ピーターパン症候群
[画像を見る]
これは成長を拒む人間の症状のことだ。緑の帽子をかぶって空を飛ぼうとはしないかもしれないが、彼らは大人になることを拒む。実現不可能な目標を定めたり、アルコールや薬に溺れたり、だらだらと職探しを続けたりといったこともある。
ピーターパン症候群は正式な心理学的症状とは認められていないため、それほど広く研究されていないが、女性よりは男性に多いようだ。また過保護な親も一因であるとされている。
■ 10. ミュンヒハウゼン症候群
[画像を見る]
現在、虚偽性障害と呼ばれる症状の古い別名。この患者は他人を騙して自分が病気であると信じ込ませる。その目的は同情してもらうことであり、話に信憑性を持たせるために自傷行為すら行うことがある。名前の由来は、”ほら吹き男爵”と呼ばたミュンヒハウゼン男爵という架空のドイツ貴族だ。作者のルドルフ・エーリヒ・ラスペは、実在した貴族をモデルにこの人物を創作した。
■ 11. 不思議の国のアリス症候群
[画像を見る]
薬を飲んだアリスが大きくなったり小さくなったりするエピソードに因んで、1955年にイギリスの精神科医トッドにより名付けられた。
この患者は認識に重大な問題を抱えている。彼らにとっては日々が不思議の国のアリスで描かれた「食べて」と「飲んで」の場面のようなものだ。つまり物が異常なほど小さかったり、反対に大きかったり感じてしまう。子供時代に発症し、治療方法はない。だが成長し、十代後半になる頃には治る傾向にある。
■ 12. オフィーリア症候群
[画像を見る]
オフィーリアとは『ハムレット』に登場するの悲劇の人物である。イアン・カー博士は自分の十代の娘の症状にその名を付けた。彼はまず娘との会話において利発な的確さが消えたことに気がつく。やがて彼女は記憶喪失、幻覚、鬱といった症状を呈するようになった。
これはホジキンリンパ種による影響で、その治療に成功すると、娘の神経の症状もほぼ回復した。ただし数か月間に及ぶ記憶の齟齬は残ったという。後の研究からは、ホジキンリンパ種の患者にはしばしば奇妙な人格の変化が起きることが判明している。
■ 13. バンビコンプレックス
[画像を見る]
これはアメリカ精神医学会では認められていない。むしろ、自然に対して過度に感傷的な態度をとる人へのレッテルとして用いられる、ポップな心理学的用語である。ディズニー映画はハンターが不当なまでに悪者扱いされた自然ファンタジーである、と論じた環境史家のラルフ・H・ルッツによって提唱された。
■ 14. リアコンプレックス
[画像を見る]
エディプスコンプレックスの派生であるが、父親が娘に性的な関心を抱いている点で異なる。リア王が末娘のコーディリアに示した病的な執着にちなむ。
■ 15. ラプンツェル症候群
[画像を見る]
髪の長さで有名なラプンツェルであるが、ラプンツェル症候群の患者はそれを食べてしまう。非常に珍しい症状で、抜毛癖(自分の毛を引き浮かずにいれない強迫的な衝動)と食毛症(自分の髪の毛を食べたくなる衝動)が合わさった結果生じる。食べた毛は胃の中に毛髪胃石として溜まり、消化器のトラブルを起こす。
via:15 Psychological Conditions Named After Literary Characters/ translated hiroching / edited by parumo
【文学の登場人物にちなんで名付けられた15の心理学的症状や症候群】を全て見る
引用元
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
Exclusive Counselling & Consulting service
コンパス心理士 カウンセリング相談事務所
~持続可能な生活、持続可能なへ~
班目幸寛(まだらー)
(^ー^(*^ー^)ノ♪
(ブックマークも\(^_^)/)
Facebook、Twitter密かにもやってます。
ツーリング仲間(バイク・自転車両方)募集♪
友達申請も是非( ̄∇ ̄)
シェア、拡散も是非( ̄∇ ̄)