“秋でもTシャツおじさん”に女性から「キモい」の声…
10.01 09:53日刊SPA!
中途半端な気温となるこの時季、上着は羽織らずにTシャツ1枚で外に出る男性も多いのではないか。ちなみに中年メタボで暑がりの記者は年中、無地のVネックを愛用している。
休日はもちろん、取材のない日はオフィスでもTシャツ1枚の状態になる。だが先日、ある女性から厳しい声を浴びせられた。
「もう秋なのにTシャツだけなのはおかしい。さらに、無地のVネックって男性がよく着ていますけど、ぶっちゃけ“肌着”ですよね。人前に出ていること自体が恥ずかしくないんですか?」(30代後半・会社員)
そこで改めて周囲の女性に意見を求めてみたところ「季節感がヘン」「9月の後半を過ぎたらTシャツはインナーだと思う」「乳首が浮き上がっている男性を見ると気持ち悪い」「ピチピチのサイズの無地Tシャツだと、腹が目立ってだらしない」など、辛辣なコメントがあがった。
では、私たち“秋でもTシャツおじさん”は、どうしたらいいのだろうか。ファッション誌のスタイリストやライターに聞いてみた。
◆“秋でもTシャツおじさん”は「キモイ!」に男性が反論
とはいえ、男性側にも言い分はある。シンプルで何にでも合わせやすい無地のTシャツは、数年前より“定番アイテム”となっている。女性側の「肌着では?」という意見に対し、普段はオフィスでも私服で働くITベンチャー企業の男性が反論。
「僕たちが着ているものは肌着ではありません。たとえば、ユニクロでもエアリズムやヒートテックは素材が薄くて肌着だと思う。でも、僕たちが着ているものは生地が厚くてしっかりしているもの。ちゃんと選んでいるんですよ」(36歳・IT関係)
ひと言で“無地のVネック”と片付けることはできない。無地のVネックをひたすら愛する、ライフスタイル雑誌のライターA氏がこう力説する。
「見た目は同じかも知れませんが、メーカーによっても全然違うんですよ。僕はヒップホップが好きなのですが、着るならアメリカ発のヘインズかな。ファッションアイコン的な有名アーティストもドン・キホーテで売られている3枚セットで約1000円のヘインズを愛用していることを公言していました。
少し生地が薄くてヘタりやすいのがデメリットですが、なにより安くて、汚れたら気兼ねなく捨てられる。そして新品を買うというルーティーン。飽きないのかと思われるかも知れませんが、常に清潔でフレッシュ(新鮮)な気分でいられます。
ラルフローレンのワンポイントロゴのTシャツなら、さりげなくアピールできる。特にメーカーにこだわりがなければ、イトーヨーカドーのガレージセールで1枚500円とかのヤツもなかなか丈夫で良いですよ。ちなみに、ユニクロなんかはコスパが高くてニューヨークでも人気」
そもそも、なぜココまで男性が無地のVネックを好むのか。記者自身の意見を述べると、「とにかく無難」だからに尽きる。
私は、かつてメンズファッション雑誌でも活動していた。その経験から導き出した答えが無地のTシャツだったのだ。その理由は、無地やワンポイントのTシャツは過度な主張がなく、だれとでもフラットな立場で付き合うことができる。
「第一印象が大事」とはよく言うが、キャラ系のTシャツを着ていたら、初対面の人には「ああ、この人はこのアニメのキャラが好きなんだ」というイメージが植え付けられる。それがポジティブに受け止められれば良いが、そうでない場合もあるだろう。
たとえば、1日のなかで様々な人たちと接する機会があると思うが、Tシャツのプリントがたまたまライバル社のロゴに似ていたり……極端な例かもしれないが、アパレル業界において、それが原因で痛い目にあった関係者なども実際に見た。
知らぬうちにネガティブな印象を与えないために、なによりも「無難」なデザインが無地のVネックだったのだ。
しかしながら、いくら反論しても女性にはなかなか理解してもらえないかもしれない(汗)。問題なのは“季節感”だ。私たちはいま、どうするべきなのか……。
◆スタイリストやファッション誌ライターがアドバイス
ファッションの専門家たちにアドバイスを聞いてみたい。雑誌を中心にメンズ&レディースの両方でスタイリストとして活動する吉田圭佑氏がこう言う。
「女性は特に季節感を重要視します。季節の先取りは良いのですが、いま夏モノに後退するのはNGですね。シャツを着て、暑いときは腰に巻いたり、そんなにかさばらないので畳んでバッグに収納するのが◎。
具体的には、デニムシャツやチェックシャツ。タータンチェック柄が今季は流行っていますね。カラーは、季節感を重視するならボルドー(落ち着いた赤)やグリーン、ブラウン系。
Tシャツ1枚にこのような色味のアイテムを加えれば夏に後退することなく、秋の雰囲気を演出できるのでオススメです」
しかしながら、トレンドに疎い私たちおじさんは、ひとつの正解を見つけたときに、そればかりに頼りがちだ。無地のVネックなどはその最たる例だろう。では、サコッシュバッグをこの季節に使うのはどうなのだろうか。
今年の夏は、Tシャツ+短パン=短パンおじさんに合わせるべきアイテムとして流行した。だが、サコッシュを使っておけばオールオッケーではない!?
「サコッシュ自体はまだ大丈夫です。とはいえ、気を付けるべき点があります。それは素材感。メッシュタイプだと夏に後退してしまう。これからはウールやレザーなどで秋にシフトしましょう」(吉田氏)
また、メンズファッションやライフスタイル雑誌などで活動するライター、金井幸男氏はこのように語る。
「無難なのは薄手のシャツを羽織ることかと。もちろん、ビジネス用の白シャツではありません。ギンガムチェックやパッチワークといった、カジュアル度数の高い1枚を。無地白T×ジーパンのプチ部屋着に加えるだけで、クリーン&シーズナルなルックスになるでしょう。
ボタンは基本的に全開けか、2~3つ留めるくらいで。ボトムスに旬要素を込めても良いですね。細みのスウェットパンツが昨年あたりから流行中です。着てみると案外なんにでも合わせられるので、デニム感覚で取り入れてみては?」
さらに、忘れてはいけないのが「小物」だという。金井氏がこう続ける。
「特におすすめなのがサングラスです。お馴染みレイバンのウェイファーラーあたりをかければ、いつものTシャツスタイルだって数段レベルアップ。セレブなノリにオシャレへの意識まで感じさせ、肌着で外出しているなんて思わせません。
同様にハットを被るのも有効でしょう。欲を言えば足元にも注意。ボロボロのスニーカーはやめて、手入れされたブーツをチョイスすべき。グッと引き締まった印象になり、季節感だって申し分なくアピールできますよ」
最後に、アパレル系の広告を扱う女性(20代後半)の意見。
「いまの季節で言えば、Tシャツ1枚のおじさんより、まだネルシャツばっかり着ている理工系大学生のほうがぶっちゃけマシですよね(※あくまでイメージ)。あと、おじさんがよく失敗しがちなのは、10月に入ったらいきなりダウンジャケットとか重たいアウターを着ちゃうこと。中間的なアイテムを持っていないんですよ。
着れる期間は短いかもしれませんが、軽いアウターを羽織っていると季節感があってオシャレに見えます。学生とは異なり、おじさんたちは働いていて、お金がないワケではないはず。それなりに良いブランドのブルゾンなどを1枚もっていると全然違うと思いますよ」
<取材・文/藤井敦年>引用元
中途半端な気温となるこの時季、上着は羽織らずにTシャツ1枚で外に出る男性も多いのではないか。ちなみに中年メタボで暑がりの記者は年中、無地のVネックを愛用している。休日はもちろん、取材のない日はオフィ…
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