「成長する考え方」と「成長できない考え方」の違いが20年の研究で明らかに – GIGAZINE

「成長する考え方」と「成長できない考え方」の違いが20年の研究で明らかに

by D. Sharon Pruitt

自分の持っている知性やクリエイティビティを天性のものであり、自分の力ではどうにもならないものと考えている人も多いのですが、それこそが人の限界を決める思い込みであり、「成長する思考態度」を持つと人は自分の知性や能力を伸ばしていくことができる、ということが、スタンフォード大学の教授である心理学者のCarol Dweck博士の行った20年にわたる研究で明らかになっています。

Fixed vs. Growth: The Two Basic Mindsets That Shape Our Lives | Brain Pickings
http://www.brainpickings.org/index.php/2014/01/29/carol-dweck-mindset/

この、自分の成長を自分自身で邪魔してしまう「固定された思考態度」と、「成長する思考態度」を図で分かりやすく表すと以下のような感じ。

「固定された思考態度」は根本に「自分をよく見せたい」という欲求があるため、失敗する可能性がある挑戦を避けたがります。障害にぶつかった時のあきらめも早く、努力は実を結ばないと考えがちです。批判に対し、例えそれが有用なものであってもネガティブな意見であればフィードバックを無視してしまい、他人の成功に脅威を感じます。そして自分の能力を出し切ることができず、早い段階で能力の伸びが頭打ちの状態へと移行してしまいます。

一方「成長する思考態度」はまず「学びたい」という欲求から始まるため、挑戦を喜んで受け止め、逆境にぶち当たっても粘り強く堪えます。努力は熟達への通過点と考え、批判から学び、他人の成功からも学んだりインスピレーションを受けたりするという流れ。根本にあるのが「学びたい」という考えのため、全てを雪だるま式に吸収し、高い成功レベルへと到達できるというわけです。

つまり、「固定された思考態度」の人は世界を決定論的な見方で見ているため、今自分がやっている「過程」に意味を見いだせず、「成長する思考態度」は自由意思を行為者に与えるのです。

Dweck博士は大人と子どもの両方を対象とした20年に及ぶ研究で「人格や知性は本人の生まれ持ったものではなく、成長させることができる」と信じることが、大人にも子どもにも著しい変化をもたらす、という発見をしました。この発見はMindset: The New Psychology of Successという著書にまとめられています。

Dweck博士によると、学校の中や社会の中、人と人の関係の中でも、結果を証明しようとする人は多くいるそうです。彼らは自分の持っている能力や素質は限られており、自分の知性や人格がどんな状況でも評価対象にあると考えているため、「自分は失敗しているか、成功しているか?」「賢く見えるか、バカに見えるか?」「受け入れられているか、排除されているか?」「勝者か、負け犬か?」ということに重きを置いてしまいます。

by Teymur Madjderey

一方で自分の素質は努力によって伸ばすことが可能だと考えている人は上記とは別の考え方をします。人によって持っている素質は別々ですが、誰しもが経験や勉強を通して素質を育てたり変えたりすることが可能であると考えるのです。もちろん、努力をしたからといってアインシュタインやベートーベンのようになることは必ずしもできませんが、自分の潜在能力を「まだ分からない」ものと考えることで、情熱を持ちトレーニングを何年も行うことができるのです。

Dweck博士が行った研究の1つに4歳の子どもを対象にした実験があります。1つのグループには「固定された思考態度」を教え、もう片方のグループには「成長する思考態度」を教えてから、それぞれのグループに2種類のジグソーパズルを選択させたところ、「固定された思考態度」のグループは自分の能力を示せるように簡単なパズルを選び、研究者らに対し「間違えない」という自分の能力を示し、反対に「成長する思考態度」のグループは「固定された思考態度」のグループのことを「新しいことが学べないのにどうして何度も同じパズルを選ぶのか」と困惑していたそうです。つまり、「固定された思考態度」のグループは自分を賢く見せるための確実な成功を求め、「成長する思考態度」のグループは自分の能力を伸ばせる方を選んだのです。これは彼らの「成功」の定義が賢く見せることではなく、賢くなることを意味するためだと考えられます。

また、Dweck博士は著書の中で7年生の少女の発言も引用しています。彼女は「知性は、もともと備わっているものではなく、自分で育てなければならないものだと思います。答えが分からない時、多くの子どもが出された質問に対し、手を挙げないでしょう。でも私はいつも手を挙げます。なぜなら私の答えが間違っていたとしたら、それはちゃんと正されるからです。もしくは手を挙げて『どうやって解くのですか?』とか『分からないので、手伝ってもらえますか?』と尋ねます。そうすることによってしか知性は向上しないからです」と言い、2つのグループの考え方の違いをハッキリと言葉にしました。

さらに、Dweck博士らは10代の少年少女を中心としたテストを実施。それぞれの子どもに非言語的な10個のIQテストを解かせ、2種類の方法で彼らを褒めました。1つの方法は「わあ、△点も取ったの、いい点ね。あなたは頭がいいわ」というもので、もう1つは「わあ、△点も取ったの、いい点ね。よく頑張ったわ」というもの。つまり、一方は能力を褒め、もう一方は努力を褒めたのです。

by james goodman

すると、能力を褒められた子どもは次に2つの問題を選択する際、難しい方の問題を避け、反対に努力を褒められた子どもたちの90%は学びの得られる難しい方の問題を選んだのです。そして興味深いことに、その後にDweck博士らが子どもには解けないような難しい問題を与えた時、前者、つまり「固定された思考態度」のグループの子どもは自分のことを頭が悪く、才能がないと考える傾向にありました。

このことから、2つの考え方は挑戦に対する「楽しみ方」に大きな影響を与えることがわかります。どちらのグループも最初の問題は簡単に正解できるため楽しめるのですが、問題が難しくなっていくと、能力を褒められた子どもは楽しむことができず、一方、努力を褒められた子どもたちは自分の能力を伸ばしていけるので難しい問題でも楽しめるわけです。前者が問題に正解できないことでどんどんやる気をなくして行くのに対し、後者はどんどん成長していきます。

そして「固定された思考態度」の持つ最も大きな弊害は、「固定された思考態度」のグループの子どもたちが嘘をつくということにありました。彼らは「テストの点数を仲間に伝えるために手紙に書いて」と言われると、賢く見られるために嘘の点数を書いたのです。

この結果は2つの考え方の成功に対する考えも左右します。「成長する思考態度」のグループは「一生懸命やっている時の成功は自分を高める」と考えますが、「固定された思考態度」のグループは「成功は自分の卓越さを証明するものであり、偉大な人になることは無名であるよりも価値のあることだ」と考えます。

Dweck博士は上記のような2つの考え方を、仕事や教育ではなく、愛にこそ適応させなけらばならないと述べています。人と人の関係において「固定された思考態度」を適応させると、自分の理想の相手が自分自身を高みにやり、自分に完全さを感じさせてくれると信じますが、「成長する思考態度」のグループは自分の間違いを認めてくれ、愛を持って成長を手助けしてくれる人をパートナーに好みます。「固定された思考態度」こそが間違った「真実の愛」の根本にあるとはDweck博士。「固定された思考態度」のグループは「相手が自分たちの関係をどう考えているか」ということについて自分とわずかな違いがあっても、脅威や相手に対する敵対心を感じるとのこと。

by Lulu Lovering 

後退なくして達成がないように、素晴らしい人間関係には問題や争いが必ずあります。

しかし「完全さ」を重視する人々は争いが起こると多くの場合、相手の性格に欠点があるとして相手を責め出します。そして相手をさげすみ、相手との関係そのものを不満に思う傾向にあるようです。一方「成長する思考態度」のグループは相手を責めず、欠点を認め、欠点があっても自分たちは十分な関係にあると考えます。彼らにとって争いの原因はコミュニケーションの問題で、相手の性格上の欠点ではないのです。

「たかが考え方1つ」と思いがちですが、スイスの哲学者アンリ・フレデリック・アミエルが「心が変われば行動が変わる 行動が変われば習慣が変わる 習慣が変われば人格が変わる 人格が変われば運命が変わる 運命が変われば人生が変わる」と残したように、自分の人生を変えるにはまず考え方から変えるのが重要ということが20年の研究で証明されたのでした。

引用元

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班目幸寛(まだらー)
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 班目幸寛(まだらめゆきひろ) フェイスブック ページへ  友達申請を是非♪  1978年生まれの宮城県出身。  元々は建築科、専門学校卒業後、建築関連の仕事に就いたがが、当人がADHDの気があり(白に近いグレー)、その時の苦労を元にカウンセラーのキャリアをスタート。  カウンセリングのメインは発達障害のカウンセリングだったが、カウンセリングを行うにつれ幅が広がり『分かっているのにできない、やめれない事』等、不倫の恋、経営者の意思決定なども行う。(相談案内へ)  趣味はバイク・自転車・アウトドア・ミリタリーグッズ収集・国内外旅行でリスクティカー。 『昨日よりも若くて、スマート』が日々の目標。  愛読書はV,Eフランクル 放送大学 心理と教養卒業 / 臨床心理プログラム 大学院 選科履修

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