「すぐやる人」と「やれない人」の違いとは?
02.20 16:15ダ・ヴィンチニュース
「あー! また間に合わなかった!」「まったく自分は何をやっているんだろう」「こんなだから何をやってもだめなんだ」ずいぶん否定的な言葉が並ぶが、少なからず一度は、自分に対して、こんな気持ちになったことはないだろうか?
心理学では、「学習性無力感」といって、失敗した経験が記憶に残り、何をやってもだめだ無駄だと思い、負のスパイラルに陥ってしまうことを指すのだそう。
『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』(塚本亮/明日香出版社)では、そんな負のスパイラルを断ち切る方法を教えてくれている。
著者の塚本亮氏は、高校1年生で偏差値30をとり、自分に自信がない劣等感のかたまりだったという。しかし、「行動が早い人」は成功しているということに気付き、生活習慣を変えることで、同志社大学に現役合格し、その後見事ケンブリッジ大学に入学、そこで研究した心理学をもとに著書を書き上げた。
「やらなきゃいけない」ものが目の前にあっても、「やりたくない」というのが人間の本音。「やりたい」ことなら喜んでさっさと片付けるだろう。「やりたくない」から「やらなきゃいけない」と自分を精神的に追い込んで、体に無理やり鞭打って動かしているようなものだ。
「すぐやってしまう環境をつくり、すぐやるための感情を作り出すことが大切」と塚本氏。本書には、50の「すぐやる人」になる習慣が紹介されていて、読んだその日から始められるものも多い。「これなら自分にもできそう!」と思う習慣が必ず1つは見つかるはず。
本書の第1章~第7章はそれぞれ、「思考編」「自分を動かす編」「周囲を動かす編」「感情マネジメント編」「体調管理編」「時間・目標管理編」「行動編」で構成されている。
実際に、第5章にある「すぐやる人は朝を大切にし、やれない人は夜が遅い」という習慣を1週間試してみた。著者と同じ23時就寝、5時起床。たった1週間の実践でも、夜頑張って遅くまで起きているよりも、朝頑張って早く起きる方があきらかに、メリットがたくさんあることがわかった。
まず、通勤に余裕ができた。都心の満員電車は降りてからが勝負で、駅の改札に向かうホーム上のあちこちで鞄や腕がぶつかったり、人に足を踏まれたり、エスカレーターへの列へ割り込まれたり、様々に理不尽なことが起こる。いちいちイラッとするのは、自分の気持ちに余裕がないから。時間に余裕を持って行くと、ぐいっと入り込まれる割り込みも「どうぞどうぞ。私は急いでいませんから」という気持ちになれる。
また、着ていく服を選ぶ時間ができた。当日の気温や仕事内容、仕事後の予定を考慮し、じっくり鏡を見て、コーディネートを決められる。主に女性に当てはまることだと思うが、朝余裕がなくて、「これでいいや!」と目の前にある服を着ていくと、その日一日何だか気が乗らないし、急いで選ぶとロクなことはない。
突然降り出した雨の日にお気に入りの靴で飛び出し、「夜の予報では晴れるって言ってたのに!」と嘆いても後の祭り。
仕事後に、久しぶりに会う友達とディナーの約束。「昨日この服着なければ良かったー!」新しく買った服を前日に着てしまい、結局友達の前ではいつも同じ服……なんてことになりかねない。1日のコーディネートが上手くいくと、その日1日晴れやかな気持ちで過ごすことができる
今の時期は、季節の変化も感じることができる。「梅が満開になってきたな」とか「桜が咲き始めたけど、ソメイヨシノではないから、なんていう種類だろう」とか。目的地へ向かう少しの隙間時間で張り詰めていた気持ちがふっとほどけるものに出会ったりする。
実際に、朝は起きてから2、3時間を経過したあたりが最も活発的に動く という。塚本氏は「朝の1時間の使い方は1日の使い方を決めると言ってもいい」と書いている。確かに1日の始まりが気持ちよく迎えられると、1日24時間も自然と思い描いたスケジュールで動いていくことに気付くことができた。
何か新しいことを始めたいのに、腰が重いと感じる方は本書の50の習慣から「これなら始められそうだな」と思う習慣を1つ見つけて、やってみてほしい。まずその行動が「すぐやる人」への第一歩になりそうだ。
文=大石百合奈引用元
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