「うつ病診断」は一人でできる? 9つの症状を要チェック – エキサイトニュース


「うつ病診断」は一人でできる? 

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ

厚生労働省の「患者調査」によると、うつ病や双極性障害といった、抑うつ気分を症状にもつ患者数は近年増加していて、2014年には111.6万人に達しているといわれています。
とくに、早期に発見できれば、それだけ治療などケアに要する時間も短縮可能な「うつ病」。
自己診断などはできるのでしょうか?
詳しくみていきましょう。
うつ病:DSM-5による診断基準
米国精神医学会が定めた『DSM-5:精神疾患と分類と診断の手引き、最新版』では、抑うつ症候群として、うつ病(大うつ病性障害)の診断基準を次のように定めています。
次の二つは基本症状と呼ばれています。
抑うつ気分
「気持ちが落ち込む」「気がめいる」といった、悲しみ、空虚感、絶望感に、毎日、ほとんど一日中しめられている状態を指しています。
興味・喜びの喪失
「以前は楽しめていたのに楽しめない」「世の中のことに関心がない」など、ほとんどすべての活動が、以前と比べて顕著に興味・喜びが減退してしまった状態になります。
次の7つの症状も「うつ病」時によく起こっている症状です。
食欲の低下
食事が「おいしくない」「味がしない」など、食欲が減退して体重減少が起こってしまいます。
ただし、食欲が亢進して過食になり、体重も増加する場合もあります。
不眠
ほとんど毎日「寝つけない」「夜中に何度も起きる」「すごく早く目覚めて、以後眠れない」といった入眠困難や、中途覚醒、早朝覚醒といった睡眠障害に悩ませられます。
ただし、反対の「過眠」状態となることもあります。
焦燥(苛立ちや焦り)あるいは精神運動制止
「相手から見ると明らかに落ち着かない」「話すことも動くことも遅くなる」など、強い苛立ちや焦りにさいなまれたり、動作が緩慢になったりなど、活動性が低下する「精神運動制止」になります。
気力の減退や易疲労感(えきひろうかん)
歯みがきや入浴など、日常行為がおっくうになる、仕事に行きたくない、テレビを観てもつまらないなど、気力がなえたり、すぐに疲れてものごとを止めてしまう状態になります。
無価値観、罪悪感
「自分には価値がない」「こうなったのはすべて自分のせい」「人に迷惑をかけている」「自分は罪深い」など、極度の自信喪失に陥ります。
うつ病の病前性格として「まじめ」な人が多いので、「申し訳ない」「自分は怠けている」といった気もちにとらわれてしまいます。
思考力・集中力の低下
「テレビの内容が頭に入らない」「新聞が読めない」など集中できなくなったり、思考力や注意力が減退して、ミスを連発するような事態も起こします。また、判断・決断ができなくなってしまうこともしばしばです。
死についての反復思考
自分を傷つける「自傷行為」、死にたいと思う「自殺願望」、自分なんか生きていてはいけない、死ななくてはならないと思い詰める「希死念慮」、実際に自殺しようと行動に移す「自殺企図」など、死ぬことを考えたり実行したりをくり返します。
ちなみに、DSM-5では、上記した2つの基本症状と併せて、5つ以上の症状が、2週間以上ほぼ毎日続いている場合、「うつ病」と診断するとしています。
うつ病のセルフチェックは可能?
以上に挙げたDSM-5による診断基準に基づいて、自分独りでセルフチェックはできるのでしょうか?端的に言うと、2つの課題があるでしょう。
健康な時と比較することができるか?
うつ状態に陥っていない、健康な時の自分の状態をよく知っていれば、「普段と違う!」とうつ傾向を自覚することができるでしょう。
しかし、ふだんの自分を意識していなければ、違いが分かりません。
症状があまりはっきりしてなくても、気づけるか?
上に挙げたような症状がかなりはっきりと出ている時は、もうすでに、病状が進行していることが想定されます。
これでは、セルフチェックの予防的目的からすると遅きに失している感もあります。各症状がまだ出はじめの段階で、気がつけるかどうかがポイントですが、これも、簡単ではありません。
かなり早い段階で自分の症状が自覚できるかどうかです。
症状が自覚できても、うつ病かどうかは専門医に!
今や、抑うつ気分を症状に持つ病気は増えています。
ですから、仮に自分で抑うつ気分なり、うつに伴う諸症状を自覚できたとしても、それが、うつ病からきているのか、それとも、他の病気の二次的な症状なのかは、専門家の判断を仰がなくてはなりません。
自分で「うつ病の診断」をするのは、お止めになるよう強くお勧めします。
「自覚」より効果的な「他覚」
自分で自分の状態を知っていく「自覚」。
ある程度はそれも大事なことですが、家族や職場の同僚など、身近な周囲の人が、気がついて「普段と違うね!」といってくれるような関係――これを「他覚」といいます――
これを作っておく方が、予防や早期発見には効果的でしょう。
医師の判断や診断も「他覚」といえます。
【参考】
厚生労働省『平成26年(2014)患者調査の概況』(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/14/index.html)
<執筆者プロフィール>
山本 恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
引用元

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 班目幸寛(まだらめゆきひろ) フェイスブック ページへ  友達申請を是非♪  1978年生まれの宮城県出身。  元々は建築科、専門学校卒業後、建築関連の仕事に就いたがが、当人がADHDの気があり(白に近いグレー)、その時の苦労を元にカウンセラーのキャリアをスタート。  カウンセリングのメインは発達障害のカウンセリングだったが、カウンセリングを行うにつれ幅が広がり『分かっているのにできない、やめれない事』等、不倫の恋、経営者の意思決定なども行う。(相談案内へ)  趣味はバイク・自転車・アウトドア・ミリタリーグッズ収集・国内外旅行でリスクティカー。 『昨日よりも若くて、スマート』が日々の目標。  愛読書はV,Eフランクル 放送大学 心理と教養卒業 / 臨床心理プログラム 大学院 選科履修