「不倫」する今どきの女性は待たない、耐えない、溺れない
一時期、レアケースとなっていた独身女性と既婚男性の関係がこのところまた増え、その内情にも変化があった。独身女性の「二股」「三股」事情とは
複数の異性とつきあう人の心理とは?
ニュース番組にも出ていた女性タレントが、ある日突然画面から消えたことがあった。なんでも、ふたりの男性とつきあっていたのだという。これがどちらも既婚だったため、大きな話題となってしまった。
どうしてこんなことが表沙汰になったかというと、彼女とつきあっていた既婚男性のひとりが、どうももうひとり誰かいるようだと疑って調べ、暴露したのだとか……。自分の身の危険も顧みず、嫉妬が炸裂したということなのだろうか。さらに後日、彼女には独身のボーイフレンドもいることが判明、これによってますます世間から叩かれることになってしまった。三股なんてとんでもない、とネットでは悪口を言われているが、男女問わず、複数の異性とつきあう人は昔から存在する。私自身、過去に、5人と同時につきあっている女性の話も聞いたことがある。クリスマスには、全員から同じブランドの同じネックレスをもらい、ひとつを残して売ったとか。したたかである。
しかし、女性だけが二股、三股をするわけではない。妻がありながら4人の女性とつきあっている男性にも話を聞いたことがある。「女性にはそれぞれいいところがあって、誰とも別れられない」と人のよさそうな顔をする男性だった。
変化した既婚男性と独身女性の恋愛
その昔、「不倫」といえば、既婚男性と独身女性の組み合わせが圧倒的に多かった。女性たちは「会いたいときに会えない彼」を待って待って待ちわびてという生活を送っていた。
だが時代は流れ、携帯電話が女性を「待つ」ことから解放した。メールならいつでも連絡がとれる。週末、家庭にいるサラリーマンだって、携帯やスマホをいじることはある。会社や仕事仲間からのメールも来るから、男性は不倫女性とのやりとりをするための言い訳はいくらでもできるのだ。それによって、「待つ女」は姿を消した。
バブルが崩壊して景気が悪化、年配男性たちが「おいしいものでも」と若い女性を誘えなくなった。女性たちもまた、「不倫なんかしたって何の得にもならない」と現実を冷静に見極めるようになり、既婚男性と独身女性の「不倫」は、レアケースとなりつつあった。
ところが最近また、独身女性と40代50代の既婚男性の組み合わせが増えてきたと実感している。20代から30代の独身女性にとって、同世代の男たちはなんとも頼りないらしい。
「若い男は、体力も気力もないんだから。それに比べたら、中年男たちはまだ元気だし、“肉食”でもある。セックスだって、同世代の男たちよりうまいですよ」。
30歳になるエリさん(仮名)はそう言う。貪欲で向上心の強い女性たちは、自分の知らない世界を教えてくれる男に弱い。かつての不倫もそうだった。
不倫する女性は本当に「したたか」なのか
しかし、今のこの組み合わせが昔と違うのは、女性は独身のボーイフレンドを確保しているところ。エリさんにも、2歳年下の彼がいる。既婚男性とつきあうようになってから、年下の彼に告白された。既婚の彼は年下の彼の存在を知っているが、自分も妻ある身。エリさんに文句を言える筋合いではない。
こう書くと、「女はしたたかだ」となるのだが、実際にエリさんに話を聞くと、結局、リスク回避をしているのが現実なのだ。
つまり、既婚男性とつきあうなら、自分にも他にボーイフレンドがいなければ不公平。年上の彼だけを思う生活は送りたくない。週末は、年上彼とは会えないから、年下彼と遊びに行く。
「待つ女」にならないため、年上彼の家庭に嫉妬しないために、同世代の彼を常備しておく。ある意味で合理的だが、その心情は「傷つきたくない」「いざとなったとき、他に安心できる場所を確保しておく」という気持ちが強い。
「恋愛ごとき」で決定的な傷を負いたくないのだろう。ある意味で、恋愛がすべてだった私たちの若い頃とは違う。「恋愛ごとき」で傷を負うくらい、どうってことはないのだが、傷つくことをとにかく回避したいのだ。
傷を恐れて賢く立ち回ることもまた、ひとつの処世術なのだと思う。表面的に見れば、二股だの三股だのと非難されがちな現代の肉食女子だが、内心はもっと複雑な気持ちを抱えているのだ。
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引用元
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班目幸寛(まだらー)
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