アトランタ在住のペネロペ・マローンさん(63)は最近、交通違反切符を渡された。マローンさんは「なぜこうなってしまったのか」などと、1カ月にわたって四六時中くよくよと思い悩んだ。午前4時頃に目が覚めて飛び起きることも少なくなかった。「まるでトースターから出てくるトーストのように飛び起きていた」という。
罰金の金額は約200ドル(約2万2000円)だった。
マローンさんは、給与計算サービス会社の元マネジャーで、現在は年金生活を送っている。「わたしは世界一の心配性だ。何かに取りつかれると、それを頭から排除できない」と話す。
だが、そんな心配性の人たちに朗報だ。何が過剰な心配につながるか、そして、それを止めるには何をすべきかに光を当てた研究の結果が発表されたのだ。
大半の人にとって、心配することは問題を解決する形態の1つであり、将来の困難に目を向け、困難が発生する前にうまく処理するプロセスだ。それは建設的にもなり得る。研究者らはこれを「適応できる心配」と呼び、人々が非常に心配する5つの分野を特定している。それは、人間関係、金銭問題、仕事、自信の欠如、そして「目的なき将来」の5つだ。
だが一部には、過剰に心配する人もいる。慢性的な心配性の人は、あらゆることについて常に悩んでいる。病的な心配性とは、慢性的な心配性で、不安がその人の動きにまで影響をもたらしている状態の人だ。こういった人たちは現実の問題(仕事での挫折など)を心配するのと同程度に、全く問題でないかもしれないこと(来週の天気など)を思い悩む公算が大きい。
われわれはどこで心配する性質を得るのだろう。遺伝が少し関係するものの多くは環境から来ている、と数十年にわたって不安を研究している英サセックス大学のグレアム・デイビー名誉教授(心理学)は言う。子どもの時に脅威にどう対応すべきだと習ったか、(脅威に直面したときに)親に安心させてもらったか、あるいは、これまでにどんなトラウマ(心的外傷)にさらされてきたかといったこと全てが、われわれの心配の大きさに影響する。デイビー博士はまた、worry(心配)はanxiety(不安)に密接に結び付いているものの、worryがおおむね認知的であるのに対し、anxietyには強い生理学的要素がある点が違うと話す。
デイビー博士のチームによる研究論文は、心配に関する50件以上の科学研究を精査したもので、昨年12月に科学誌「バイオロジカル・サイコロジー」に掲載された。これによると、過剰に心配する人は、出来事や困難のあらゆる側面について自分が思い悩まなければ、何か悪いことが起きると信じている。
チームの研究は、人が心配し始め、それを止められないと、その人に何が起こるかのメカニズムを突き止めた。過剰に心配する人は、ネガティブな出来事ないし脅威に対して過敏になっている傾向があった。そうした人がある脅威を自覚する前に、脳がそれに焦点を当てるのだ。すると、彼らは悪くなりかねない潜在的なシナリオを全て列挙する。この作業は彼らの気持ちを悪化させる。すると、彼らはこの悪い気持ちが、心配を続けるべきだという潜在意識上の合図だと受け取る。答えがまだ見つかっていないからだ。かくしてこれが繰り返される。デイビー博士は「慢性的な心配性の人は、自分が思いつく何かがうまく機能するという自信を全く持てない。このため、自らの気分へのアクセスを試み続けるのだが、この気分はネガティブで、心配を続けるよう彼らに命じる」と話す。
過剰な心配を止めるのは難しい。なぜなら、それは覚醒を維持する脳の領域、そして恐怖と関連している脳の領域を活性化させるからだ。だが専門家たちは、過剰に心配しないように自分を手なずけることは可能だと指摘する。以下はその方法だ。
1. 現実を直視する。ロサンゼルスの臨床心理学者ジュディ・ローゼンバーグ博士は、自分が抱いている感情の度合いが心配の対象である状況に見合ったものか自問することを勧める。「その答えはたいていノーだ」
2. 最悪のシナリオよりむしろ、ベターな状況を思い浮かべる。こうすることがネガティブに感じるのを抑え、問題解決に向けて心を開くことにつながるとニューヨーク州の臨床ソーシャルワーカーのクリスタ・ショーン氏は述べる。
3. 計画を立てる。状況にどう対応するか詳細に書き出す。すると、状況を制御できる確率がより高いように思えてくる。
4. タイマーをかける。15分間のタイマーをセットして、その間、思いっきり悩む。タイマーが鳴ったらやめる。
5. 「シュレッダーにかけよう!」と(頭の中で)叫ぶ。自分の心配事がシュレッダーにかけられている様子を思い浮かべ、それが粉々になっていくのを想像する。
6. 音楽、運動、良い本や映画などで気晴らしをする。楽しんでいるときは、ネガティブなことに頭を集中させることが難しくなる。
冒頭に登場したマローンさんは、自分がすごく心配する人間であることを認めている。株式市場や北朝鮮の動向を心配するほか、自分が大事な電話を逃すのではないかとも心配している。交通違反切符の一件は、罰金の金銭的コストを悩んでいるのではなかった。自分ではコントロールできないこと全てをくよくよしていた。なぜ自分が違反切符を渡されたのか、そして、交通違反を審理する裁判所で判事にどう説明しようかといったことなどだ。
こうした悩みは、何か役に立ったのだろうか。実をいうと、役に立たなかった。マローンさんによれば、「判事は空港に誰かを迎えに行かなくてはならず(審理の時間的余裕がなくなったため)、わたしの容疑を却下してくれた」からだ。
引用元
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■Exclusive Counselling & Consulting service
コンパス心理士 カウンセリング相談事務所
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班目幸寛(まだらー)
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