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ADHDの息子の面倒をしっかり見てくれた、ある先生への感謝

11.27 16:19現代ビジネス

(文・かなしろにゃんこ。)
発達障害の息子をもつ漫画家のかなしろにゃんこです。

息子を変えるには、まず自分が変わらなきゃいけないと知った私。「ペアレントトレーニング」のおかげで、息子リュウ太(ADHDと軽い自閉スペクトラム症がある)とうまく折り合っていく方法を見つけたのですが、でも、家族以外の人と過ごす学校では、まだまだ困った問題が……。

今回はそんな学校生活をもうちょっと扱おうと思いますが、なによりもまず私は、リュウ太を見てくださった先生方のことを書きたい! だって、めっちゃお世話になったんですから。

息子の学校生活……席は必ず教壇の前!

発達障害の診断が出たのは、リュウ太が小学4年生のときでした。当時、担任は男性でしたが、この先生、学校での息子の様子を書面に細かく書いてくださったんです。発達障害の検査で、医師に提出するのに必要だったんで助かりました。

発達障害の診断が出たことは、この担任の先生にすぐ伝えましたが、おかげで間もなく、学校の息子への指導は、発達障害がある子向けの内容にしていただけました。とかく“問題行動”の多い息子だというのは、読者のみなさんもわかってくださったと思うのですが、そんなリュウ太にいつも寄り添ってくれる先生でした。

息子がイライラしてまわりの子と言い争いになり、授業が中断してしまったことがあります。そんなとき、きちんとフォローに入ってくれる先生でした。

クラスの親御さんから、リュウ太のせいで授業が進まないとブーイングが起こったこともありました。そんなときも間に入ってくれました。

しかも私を、「今はこうでも、大人になったら変わるから大丈夫ですよ」と励ましてくださることもありました。

では息子は特別扱いされていたのかというと、もちろんそんなことはありません。きちんと怒ってくれて指導してくれる熱血先生だったんですよ!

息子は、“怒りながらも自分のことをきちんと見ていてくれる人がいる”とわかっていたのだと思います。この担任の先生が大好きでした。

ほかにも、母親のような優しさで接してくれる女性の先生もいたりして、こちらも大好き。結局、息子は先生のそばが一番落ち着くということで、教壇の目の前をリュウ太の席にしてもらっていました。

私が小学生だったら、「ムリムリ! 絶対に先生の前なんてイヤ!」って思ってしまいますが、息子は、お父さんのように怒るけど励ましてくれる先生や、お母さんのような優しい先生によくなついてましたね~。

そして、こんなすばらしい先生方が、学校での息子の様子を細かく教えてくださったおかげで、息子の特性やクセがより一層、私の目に見えてきたんです。

“ながら野郎”でございます

たとえば息子は、授業中に絵を描いていて、黒板を見ていないことがあります。見た目はこれも、立派な“問題行動”。「コラッ! 黒板を見なさいッ!」ってカミナリを落とされるのが普通でしょう。

ところが担任の男性の先生によると、

「まったく聞いてないように見えるけれど、授業内容については、絵を書いているときのほうが耳でまぁまぁ聞いているようです!」

と教えてもらいました。

先生の見立てでは、何か他事をしながらやる“ながら勉強”のほうが向いている子もいるということでした。「黒板をきちんと見ている=授業内容を把握できている」とは限らない、というわけです。

「好きなことをやりながら、調子がいい状態のときに聞いたものを覚えているのではないでしょうか」

と担任の先生。私にとっては「うそー!」という感じです。私たちの時代は、ながら勉強では身につかないといわれていたのに……。

でも、そう指摘されると、確かに「そういえば!」と思いあたるフシはあります。家で問題集を解くとき、リュウ太は歌をうたいながら計算したり、椅子やペンなど体のどこかを絶えず揺らしながら勉強するクセがあります。

北欧の国では、バランスボールを椅子の代わりにして子どもに勉強させている学校があると聞きます。不安定な状態のなか、体のバランスを取りながら計算などを行うと、集中力が出て良い結果に繋がる、ということだそうですが、きっと落ち着きのない息子は、集中力を引き出す方法として自然と揺らすことをおぼえたのだと思います。

19歳になった今でも、このクセは変わりません。インターネットで調べものをしているときは、貧乏ゆすりをしたり、歌を歌いながらだったりと落ち着きがない……。こっちまでソワソワしてきそうですが、

「あぁ! 集中をはじめているのかな?」

と思うようにしています。そして、集中して“ゾーン”に入ったときは、話しかけると怒るのでそぉっとしておきます。


こういった気づきは、ADHDがある息子の特性について私なりに考える、いいきっかけになりました。

息子は、夢中になることを見つけるまでは多動だったりしますが、見つかった途端に衝動性が働いて一気にはじめます、そして、それまでの多動はなんだったの? というくらい集中して遊びはじめるのです。

面白いことが見つからない時間がイヤみたいで、早く夢中になれる物を探して多動になっているんじゃないかと思うんです。いわば、「“起きている時間すべてを、ワクワクして夢中になれることに使いたい!”という特性」とでも言いましょうか。

ですから普段は、

「学校なんかもう行きたくねーなー」

とボヤキますが、夏休みに何もやることがなくなったりすると、

「早く学校行きたい」

と変わります。学校では嫌なことが起こったりもするわけですが、退屈するよりは刺激的でいいのでしょう。

「お机」ならぬ「汚机」でお勉強!?

そういえば以前、“片付けられない女性”が話題になったことがありましたね。片付けられない原因は、実はADHDじゃないかとも言われました。

うちの息子も“片付けられないヤツ”なんです。「部屋を掃除しなさい!」と言っても、絶対に掃除しようとはしません。しかも母が勝手に片づけると猛烈に怒ります。

本人は掃除をしないことについて、2つ言い訳をしやがります(怒)。

●その1
掃除の作業には、リュウ太にとって1つも燃えるポイントがないようです。「なくてもやれよッ!」と、ツッコミたくなりますが……。

●その2
日常使用しているものを棚や引き出しに閉まってしまって見えなくなってしまうと、「ここにしまった」という記憶ができないので、息子にとっては「存在しない」ことになってしまうらしいのです。すると次に使うときに不便だから、絶えず見える位置にすべての物を広げておきたいそうです。

それならまあ、たとえば教科書とかノートとか、勉強に必要なものが散乱するのは理解できなくもありません。が、リュウ太の散らかしグセは最悪で、ゴミをゴミ箱に捨てることすら苦手。消しゴムのカスやスナック菓子の袋も床に落としてしまいます。

まるでゴミ箱を使う習慣がない人みたい。そんなわけで息子の部屋は、24時間365日散らかっています。

ADHDがある人は片づけが苦手と言いますが、掃除のやり方が分からないわけではないのです。やるときは本人が掃除機をかけて床も磨くのですが、そんなことは2年に1回あればいいほう。

そしてなぜ散らかしたままにするかというと、本人は堂々とこう言ってのけるんです。

「オレは汚い部屋が落ち着くんだ」

ガーン! 掃除の必要性を感じていない……! 私は断捨離好きなので、“捨てない派”の息子とは衛生面で意見が合わず、今も苦しんでおります(涙)

こんな子でしたから、小学校時代の学校の机はといえば、そりゃあもうヒドイものでした。参観日やPTAの用事で学校に行くとき、私は必ず息子の机チェックをするんですが、もうプリントや雑巾などがぐちゃぐちゃに押し込まれておりまして、机の中ぱんぱん!

汚いとかいう生ヤサシイものじゃありません、もはや「グロテスク」としか言えないようなレベルのおぞましさ……。もちろん、教科書はすぐに見つからないような状態ですし、机のまわりにも、ゴミらしきいろいろな物体が散乱していてゾッとしました。

ところが本人は「ゴミじゃないよ! 工作とお絵かきだよ!」と主張。いやアンタ、こんなもみくちゃ、誰が見たってゴミにしか見えないって!

「リュウ太のまわりの皆さん、本当に不快な思いをさせてすいません……」

こう謝りたい気持ちでいっぱいになった母でした。

助けてもらっても……「勝手にやってくれただけだから」って、オイ!

「心の勉強」

こんな調子でしたから、片付けひとつとってもリュウ太は、学校で「変わった子」「困った子」と見られてしまうことになります。

ところが、掃きだめにもツルと申しますか、地獄で仏といいますか、うちの子に優しくしてくれる天使のような女の子もおりまして……。なんと、息子の机の中を整理整頓してくれたそうです。これも先生から教えていただきました。

もしかしたら、“汚いと不快だから、早くキレイにしてしまいたい”という、清潔感からの行動なのかもしれませんが、持ち帰るべきプリントをまとめてくれたり、文房具をまとめてくれたり、こまごまと親切にしてくれるコトミちゃん(仮名)という子がいるとのことでした。

当然息子に、

「コトミちゃんが机の中を整頓してくれたって聞いたよ。お礼を言ってね」

と言いましたよ~。ところが、

「は? 俺が頼んだわけじゃなくて、勝手にやってくれただけだから、お礼を言うことはない」

って、息子よ……。アンタ、信じられないくらい人とズレてる! ガックリきてしまいましたが、これもどうやら、発達障害の特性のようです。

人に親切にしてもらったときは、それがお節介だったとしても、ひとまずお礼を伝えるのが一般的ですよね。ところが息子には、そういう社交を重視した考えはなく、「勝手にやってきた親切に対しては何も感じない」のだそうです。

「自分は整頓する必要を感じていないのに干渉された」

という気持ちのようでした……。


コトミちゃんの爪の垢でも煎じて飲みなッ! と言いたくもなりますが、そこはグッと堪えまして、私は「学校では集団生活をしている。そんな場合は、自分がまわりに迷惑をかけていることを自覚して、どうしてコトミちゃんが手を差し伸べたかを考えてほしい」と息子に話して聞かせました。

今でも、「自分が助けられてきたのだから、今度はまわりの人を助けることをもっとしていこうね!」と(まぁ反抗期なので、私が一方的にしゃべる感じで)伝えていますが、息子は聞いているのかどうか……、返事もせずにいます(涙)

感謝すべきときにできないようでは、世の中わたっていけません。周囲にも迷惑をかけてしまいます。薄情な行為をしたり、心ない発言したときには、その場で世間とのズレがあることを説明して分かってもらう必要がありました。

「心の勉強」ですね。いまでも事あるごとに、“一般的な意識”と“息子の意識”のズレを認識する心の勉強を親子で続けています、これはもしかしたら一生続くかもしれない問題です。

こんな変わった息子ですが、小学校では先生やまわりの親切な子に助けていただいて、なんとか6年間通うことができたのでした。いつでも自分のことで精一杯の息子が、ようやく友だちを助けられるようになるのは、高校生になってから。

その間にもいろんなことがありました。連載最終回となる次回は、高校に入るまでのお話をさせていただきたいと思いますが、「早く読みたい!」という方は、先月出た私の近刊『うちの子はADHD 反抗期で超たいへん!』をチェックしてみてくださいね~。

引用元

ADHDの息子を持つかなしろにゃんこ。さんが、今回は学校の先生についての思い出を話します。

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 班目幸寛(まだらめゆきひろ) フェイスブック ページへ  友達申請を是非♪  1978年生まれの宮城県出身。  元々は建築科、専門学校卒業後、建築関連の仕事に就いたがが、当人がADHDの気があり(白に近いグレー)、その時の苦労を元にカウンセラーのキャリアをスタート。  カウンセリングのメインは発達障害のカウンセリングだったが、カウンセリングを行うにつれ幅が広がり『分かっているのにできない、やめれない事』等、不倫の恋、経営者の意思決定なども行う。(相談案内へ)  趣味はバイク・自転車・アウトドア・ミリタリーグッズ収集・国内外旅行でリスクティカー。 『昨日よりも若くて、スマート』が日々の目標。  愛読書はV,Eフランクル 放送大学 心理と教養卒業 / 臨床心理プログラム 大学院 選科履修

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