うつ病や不安障害を招く、ADHDの「二次障害」を防ぐには?

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近年、”大人のADHD”や”大人の発達障害”といった言葉が聞かれるようになってきた。社会に出てから初めてADHDと診断される人も少なくなく、家庭や学校だけでなく、職場での理解や協力が非常に重要と言えるだろう。

周囲の理解が得られない場合、うつ病や不安障害といった「二次障害」を引き起こしてしまう懸念もある。今回は、ADHDの「二次障害」について、精神科の高木希奈医師にお聞きした。 *

○大人になってから診断される背景

ADHDは、家族の育て方が悪いから子供が発症する、というものでもなければ、本人の意思や努力の問題、ということでもありません。ADHD含め、ほとんどすべての精神疾患の発症要因はわかっていませんが、ADHDは「前頭前野」という部分の先天性の脳機能障害や、脳内の神経伝達物質の乱れ、遺伝などが組み合わさって発症すると言われています。

近年、ADHDやアスペルガー症候群など”大人の発達障害”の方が増えています。子供のときにはほとんど問題にならなかったのに、社会に出てから不適応を起こし、発達障害と診断されるケースも多いです。それはなぜでしょうか?

学校や家庭では、多少”変わった子”でも、教師や親がフォローをしてくれます。例えば、忘れ物は親が全部チェックすれば、学校で問題になることはないでしょう。周りの大人にフォローをされながらも、毎日決められた日課や課題をこなし、それなりの成績をおさめていれば学校は卒業できます。もちろん義務教育を終えて、高校や大学へと進学する方もいるでしょう。

しかし「学生」という枠が外れ、ひとたび社会に出たら、学校のような日課やルールはありません。ひとりの大人として責任を問われる立場になります。社会では、自分ひとりで仕事をすればよいということはなく、いろいろな人と上手にコミュニケーションを取りながら協力して仕事を進めていかなければなりません。

ただ決められた仕事をこなせばよいという職場は少なく、自ら考えて行動することが求められる職場がほとんどです。企画・立案、プロモーション、営業と一通り関わらなければいけない職業や職種もあるでしょう。また、仕事では不測の出来事も往々にして起こるため、それに臨機応変に対応する能力も求められます。このように、社会に出るとより高度なコミュニケーション能力や創造力を求められることから、不適応を起こすケースが多いのです。

ちなみに、成人におけるADHDの診断では学生時代の通知表が参考になりますが、今このご時世では「その子の良い面しか書かない」ということがほとんどであるようなので、あまり参考になりません。また、ADHDがクローズアップされ、世間一般に浸透するようになってきたのはここ近年の話です。今の大人たちが子供の頃には、まだそのような概念がなかったために診断がなされなかった、という側面もあると思います。

○ADHDの「二次障害」と「合併症」

ADHDの方は、仕事や家庭内でうまくいかなかったり、周りと円滑なコミュニケーションが取れずに人間関係がうまくいかなくなったり、周りから非難されたり叱られたり……といった失敗体験を重ねてしまうことがあります。そうすると、不安感が強くなる、自信を失って自己評価が低下する、劣等感や自責感が出現する、意欲がなくなるなどして、うつ病や不安障害を併発することもあります。これを「二次障害」と言います。

二次障害とは別に、ADHDは他の精神疾患と合併することがあります。もともと発達障害と双極性障害は合併しやすいといわれますし、アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)や学習障害などが合併するパターンもあります。また、ADHDの方は衝動性が高く、その衝動性を自分でコントロールできずに、アルコール、タバコ、ギャンブルなどに依存しやすい傾向があります。

○二次障害を起こさないためのポイント

二次障害を起こさないために、まずは自分の特性を理解することが大切です。不得意なことと得意なことを把握し、不得意な部分は改善できることもあるので、周囲の助けを借りながら、自分でも気を付けてみることが大事でしょう。

また、ADHDに対する薬物療法もあります。以前は、ADHDの薬剤は依存性が高く問題になることもありましたが、ここ最近のお薬では依存性がないものも出ています。お薬で症状を改善することもできますので、まずは精神科の医療機関に受診し、診断がついたら、お薬の内服についても主治医と相談してみましょう。ADHDそのものの治療だけでなく、二次障害や合併している精神疾患がある場合には、そちらの薬物療法も行われます。

最後に、ADHDの人がうまく社会で生きていくためには、周囲の理解が必要不可欠です。周囲の方は、まずは疾患を理解することに努めてみてください。仕事でミスが多かったり、コミュニケーションがうまくとれなかったりするのは、本人が故意にやっているわけではなく、頑張ってやっても”できない”のです。そうした疾患であることを理解し、頭ごなしに注意をし続けるのではなく、本人のフォローをうまくしてあげることで、二次障害を防ぐことができます。

※本稿は『あなたの周りの身近な狂気』(高木希奈著 / セブン&アイ出版)を参考にしています
※写真と本文は関係ありません

○取材協力: 高木希奈(タカギ・キナ)

精神保健指定医、日本精神神経学会認定専門医、日本精神神経学会認定指導医、日本医師会認定産業医。
長野県出身。聖マリアンナ医科大学卒業。現在は、精神科単科の病院で精神科救急を中心に急性期治療にあたっている。また、産業医として企業にも勤務経験あり。
著書に『間取りの恋愛心理学』(三五館)、『あなたの周りの身近な狂気』(セブン&アイ出版)、『精神科女医が本気で考えた 心と体を満足させるセックス』(徳間書店)、電子書籍『女医が教える飽きないエッチ』(App Store、Kindle)など。趣味は、海外旅行とスキューバダイビング。オフィシャルブログはこちら。
(須藤妙子)

引用元

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 班目幸寛(まだらめゆきひろ) フェイスブック ページへ  友達申請を是非♪  1978年生まれの宮城県出身。  元々は建築科、専門学校卒業後、建築関連の仕事に就いたがが、当人がADHDの気があり(白に近いグレー)、その時の苦労を元にカウンセラーのキャリアをスタート。  カウンセリングのメインは発達障害のカウンセリングだったが、カウンセリングを行うにつれ幅が広がり『分かっているのにできない、やめれない事』等、不倫の恋、経営者の意思決定なども行う。(相談案内へ)  趣味はバイク・自転車・アウトドア・ミリタリーグッズ収集・国内外旅行でリスクティカー。 『昨日よりも若くて、スマート』が日々の目標。  愛読書はV,Eフランクル 放送大学 心理と教養卒業 / 臨床心理プログラム 大学院 選科履修

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