相手の「事実」が間違っている時に争いを起こさず平和的に納得させるポイント – GIGAZINE

相手の「事実」が間違っている時に争いを起こさず平和的に納得させるポイント

by Stefan Lins

人が信じる「事実」が間違っていることを指摘した時に、予想もしなかった大論争に発展してしまった、という経験をしたことがある人も多いはず。これは、指摘した人は「単純な事実の誤り」を言っているつもりが、指摘を受けた方は「自分の世界観が脅かされている」と感じるためだとSkeptic magazineの創設者でありチャップマン大学の特別研究員であるマイケル・シェルマー氏は述べています。なぜ、このようなことが起こってしまうのか、争いを起こさずに平和的に事実の誤りを指摘するにはどうすればいいのかが、Scientific Americanにまとめられています。

How to Convince Someone When Facts Fail – Scientific American
https://www.scientificamerican.com/article/how-to-convince-someone-when-facts-fail/

例えば、神によって天地万物の全てが創造されたとする「創造論」を信じる人々が化石やDNAから導き出される進化論に異議を唱えるのは、非宗教的な力によって宗教的な信仰が阻害されることを懸念しているのが1つの理由です。一方で、大手製薬会社に疑念を抱き、「製薬業界は腐敗している」と考えワクチンの接種を否定する人がいます。彼らは「ワクチンによって自閉症が引き起こされる」という、かつて発表されて後に撤回された論文を根拠にしています。また、2001年9月11日に起きた米国同時多発テロは米国政府の陰謀だと信じている人は、鉄の融点に目をつけて「ジェット燃料による火災の温度は鉄の融点以下だから鉄骨が倒壊するのはおかしい」と主張し、ワールドトレードセンターの崩壊が偽旗作戦だったと考えます。

上記のように、矛盾や誤りがある事実を深く信じる人の背景には「認知的不協和」と「バックファイアー効果」が存在します。

認知的不協和は、心理学者のレオン・フェスティンガーが1956年に記した「予言がはずれるとき―この世の破滅を予知した現代のある集団を解明する」に記されるもの。この本の中では、あるカルト集団が信じていた「この日時に宇宙船がやってくる」という予言が外れた時、カルト集団は間違いを認めるのではなく、躍起になって信仰を布教しだし、自分たちの認識の不一致を削除すべく次から次へと予言を行いだした、ということが述べられています。

認知的不協和の例としてはイソップ物語の「すっぱい葡萄」が挙げられることもあります。物語の中でキツネは「甘そうなブドウがある」「ブドウは食べられない」という2つの事実を認識しますが、「ブドウは食べられない」という事実が変えられない時に、キツネは「甘そうなブドウがある」という認識をねじ曲げて「あのブドウはまずそうだ」と考えるようになります。喫煙者が「喫煙者で長寿の人もいる」と考えるのも、同じ認知的不協和によるものです。このことが「ある物事を深く信じる人」にも言えます。ある人が「自分の世界観」と「それを支える事実」という2つの要素を持っていたとして、後に「事実」が否定された場合、そこに認知的不協和が生じますが、自分の持つ世界観は簡単に変更できないので、人は事実に対する認識をねじ曲げてしまうというわけです。

また、「(PDFファイル)バックファイアー効果」は、ダートマス大学のブレンドン・ニャン教授とエクセター大学のジェイソン・エイフラー教授によって研究されたもの。例えば、「イラクに大量破壊兵器が存在する」というような、広く知られている誤った題目を確かめる内容の記事を被験者に渡すとします。その後、「大量破壊兵器は見つからなかった」というような、題目についての訂正記事が入ると、自由主義者は新しい記事を受け入れ古い方の記事を削除します。しかし、戦争を支持していた保守主義の人々は新しい情報を受け入れないばかりか、さらに強く大量破壊兵器の存在を確信し、「サダム・フセインが隠したか破壊した」と主張するようになります。研究者らによると、実際に保守派の人の中にはブッシュ政権自身が「大量破壊兵器はなかった」と結論づけた後も「アメリカが侵略する直前までイラクは大量破壊兵器を所有していた」と考える人が多くいたとのこと。「疑問を持つグループの中では、誤った情報の訂正はさらに誤解を深めてしまいます。なぜなら、『訂正』はその人の世界観や自己概念を脅かすものだからです」と研究者らは語りました。

つまり、何かを深く信じる人々に対して、その根拠となる事実を誤っていると指摘することは、その人の世界観そのものを脅かすものとして見なされてしまうわけです。そのため、例え本当に誤っていることであっても誰かが信じる「事実」を否定する時は、「指摘が世界観を脅かすものではない」ということを示す必要があります。このことと自身の経験から、シェルマー氏は相手の間違いを指摘する時の以下の6つのポイントを挙げています。

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1:感情的にならない。
2:人身攻撃や詭弁を行わないこと。攻撃せず議論すること。
3:注意深く聞き、他の立場の意見を正確かつ明確に述べる。
4:リスペクトを示す。
5:「相手がなぜその意見を持っているのか」を理解していると認める。
6:相手が信じる事実が変わったからといって世界観を変える必要はないと示そうとする。

上記のような内容は必ずしもうまく機能するとは言えませんが、人々が不必要に分裂することを避ける助けになるかもしれないとシェルマー氏は語っています。

引用元

人が信じる「事実」が間違っていることを指摘した時に、予想もしなかった大論争に発展してしまった、という経験をしたことがある人も多いはず。これは、指摘した人は「単純な事実の誤り」を言っているつもりが、指摘を受けた方は「自分の世界観が脅かされている」と感じるためだとSkeptic magazineの創設者でありチャップマン大...

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 班目幸寛(まだらめゆきひろ) フェイスブック ページへ  友達申請を是非♪  1978年生まれの宮城県出身。  元々は建築科、専門学校卒業後、建築関連の仕事に就いたがが、当人がADHDの気があり(白に近いグレー)、その時の苦労を元にカウンセラーのキャリアをスタート。  カウンセリングのメインは発達障害のカウンセリングだったが、カウンセリングを行うにつれ幅が広がり『分かっているのにできない、やめれない事』等、不倫の恋、経営者の意思決定なども行う。(相談案内へ)  趣味はバイク・自転車・アウトドア・ミリタリーグッズ収集・国内外旅行でリスクティカー。 『昨日よりも若くて、スマート』が日々の目標。  愛読書はV,Eフランクル 放送大学 心理と教養卒業 / 臨床心理プログラム 大学院 選科履修

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