「腹が減っては判断できぬ」 空腹時には合理性と決断力が劇的に低下

「腹が減っては判断できぬ」 空腹時には合理性と決断力が劇的に低下

 お腹が空いてイライラする、ご飯のこと以外考えられない、というような経験は誰しも持っているだろう。

英語には「A hungry man is an angry man(空腹の人は怒りっぽい)」ということわざがあるくらいだ。そうしたことを証明するような結果が、ラット(ネズミ)の実験から得られた。

□空腹時は合理性と決断力が低下

スウェーデンのイエーテボリ大学の研究者が、空腹時に放出されるホルモンによって、合理性と決断力が低下することを突き止めた。空腹時に出るグレリンというホルモンを投与されたラットは、より衝動的な行動をとり、合理的な判断ができなくなるという研究結果である(※1)。

この結果は「空腹時には決断をすべきではない」という教訓となり得るであろう。

□ラットの「衝動を抑えてご褒美を獲得する」実験
この研究チームはラットを訓練して、以下の3つの実験を行った。1:ラットに、レバーを押す「go」シグナルか、押さない「no-go」シグナルどちらかでご褒美が与えられることを教えた。ライトかブザーの刺激が「go」あるいは「no-go」シグナルのどちらかであることを教えた。

2:少しの時間の間、反応を抑えることができたラットだけペレットフードのご褒美が与えられることとした。

3:レバーは2本あり、1つを押すと1個のペレットがすぐに与えられた。もう1つのレバーは少し待つと押せるようになり、それを押すと4個のペレットが与えられた。ただし、1つ目のレバーを押してしまうと、もう片方はブロックされた。

これらの実験の間、脳内にグレリンが投与され、空腹状態が作り出された(※1)。

□ほんの少しの絶食でも、衝動的な行動が多くなる

想像通り、グレリンを投与されたラットは、3つの実験すべてで、待つことができずレバーを押してしまう頻度が高くなった。つまり、最大の報酬を得るための合理的な行動の代わりに、衝動的な行動が増したことになる。さらなる実験により、ほんの少しの絶食でも同じような衝動的な行動をとるようになることがわかった(※1)。

□空腹時の衝動性の研究、精神疾患に対する新薬への期待
現在、衝動性に関連する精神疾患は多い。

注意欠陥多動性障害(ADHD)、強迫性障害(OCD)、摂食障害、薬物乱用はすべて、衝動抑制障害に当たるといわれている疾患である。

グレリンアンタゴニスト(グレリンをブロックする薬)は現在、肥満の防止あるいは薬物中毒の治療に使われている。今回の研究結果を受け、今後は、衝動性に関連した精神疾患にも、脳のグレリン受容体をターゲットにした薬が使えるようになることが期待されている(※1)。

□食事でまずは空腹状態を脱しよう。食事こそが頭を落ち着かせる
空腹時の判断は、理性よりも衝動が勝る頻度が高くなるようである。大事な決断を「戦」に例えるなら「腹が減っては戦はできぬ」である。少し冷静になりたいときは、食事を取ってゆっくり考えてみるのもいいかもしれない。

引用元 http://news.ameba.jp/20160601-245/

まだらー('ー')/~~

 班目幸寛(まだらめゆきひろ) フェイスブック ページへ  友達申請を是非♪  1978年生まれの宮城県出身。  元々は建築科、専門学校卒業後、建築関連の仕事に就いたがが、当人がADHDの気があり(白に近いグレー)、その時の苦労を元にカウンセラーのキャリアをスタート。  カウンセリングのメインは発達障害のカウンセリングだったが、カウンセリングを行うにつれ幅が広がり『分かっているのにできない、やめれない事』等、不倫の恋、経営者の意思決定なども行う。(相談案内へ)  趣味はバイク・自転車・アウトドア・ミリタリーグッズ収集・国内外旅行でリスクティカー。 『昨日よりも若くて、スマート』が日々の目標。  愛読書はV,Eフランクル 放送大学 心理と教養卒業 / 臨床心理プログラム 大学院 選科履修

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